McGuffinマクガフィン

フィアレスのMcGuffinマクガフィンのネタバレレビュー・内容・結末

フィアレス(1993年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

もし人から恐怖心がなくなってしまったら?
高いところに立っても、銃や刃物を突きつけられても怖いと感じなくなったらどうなるだろう。

とうもろこし畑に不時着した折れた機体。
泣き叫ぶ人々。衝撃の映像からスタートしたこの作品の主人公は妙に冷静に立ち去って行った。

何が起きたのか?不時着前の機内の様子は劇中少しずつ挿入されていく。

死に直面した人にしかわならない。大切な人を失った人にしかわからない感情が画面いっぱいに広がる。

これはわたしの気持ちだけど、笑っちゃいけない気持ちになるんだよね。
ずっと悲しんでいないと申し訳ないって。
セラピストや弁護士の言うことがアテにならず耳を塞ぎたくなるのもわかる。

人は毎日いろんなことを考えて想像しているけれど、体験したことから得られるものに勝るものはない。そして何かを一度体験してしまったら、以前の自分に戻れない。飛行機の事故をベースに、人が記憶や感情を都合よく捏造してしまったりすることをテーマにした映画だったのかな?生きてるのに幽霊になったり、普通の人間が天使になりきったり、天使だと信じて救われたり。

他者への施しは自分が癒され、生きる感覚を取り戻すための滑走路。

「死」ってなんだろう。

見落としていることが沢山あるような、とても奥行きのある作品でした。
ゆったりと進んでいく中にも激情が溢れていて好きな感じだった。

亡くなった人への贈り物、素敵だと思うよ。
少しクリスマス映画っぽい雰囲気あり。
カーラとバブルと工具箱。

ジェフ・ブリッジス若くてかっこいいし、妻役のイザベラ・ロッセリーニは母親の面影があるなぁ。
ロージー・ペレスは息子を失った儚げな演技が本物みたいだった。特に車で取り乱すところ。
弁護士役のジョン・タトゥーロってなんでもできるなぁ。