インド大映画祭にて。
フラッシュバックの危険性があると思うので注意。中盤から最後まで生きた心地がしない。
特に子どもに対する脅迫や(直接的な描写はないが)性加害シーン、被害者の怯える声や遺体の説明を聞いたり被害後の姿を見たりするシーンでは、呼吸が苦しくなるとともに吐き気まで催しかねない。
この世の地獄か？
(ところが現実はこれ以上酷いことがある地獄である)
しかし本作はヒーローが犯人をやっつけてスカッとすることはない。現実の被害者たちのためにも、微塵の救いもなく心置きなく絶望し、打ちのめされて欲しい。
「男の人は自分を清廉潔白だと思っている。女の胸を平気で凝視しておきながら、他の男が自分の身内の女に同じことをしたら激怒する。あなたは？清廉潔白だと思ってる？」
「私がどうやって被害から立ち直ったかも聞かずに復讐相手を知ろうとするの？」
本作は、自分の身内でないと事件として認識できない男性の他人事を、謝罪や贖罪や罰を加害者に与えることより被害そのものがなければ良かったことを、そもそも己の眼差しひとつが女性を性的に見ることを許容し性被害を軽視する社会の礎になっていることを、
そして身内の女性が被害者になった時、怒りと復讐心を滾らせる男性もまた、「自分の所有物を傷つけられた」ことに怒っているだけで女性の心や女性だから被害に遭う社会はおかしいと思ってはいないことを鋭く指弾する。
目を逸らしたくなる。逸らしてはいけない。
《余談》
①ラストで被害者が時間経過(それもたった1年)で元気(そうな)姿を見せた事に違和感を覚えた。
少女が被害に遭ったままでは後味が悪すぎるからと元気な姿を取ってつけたように感じた。
②女子高生コンクリート詰め事件、名護市女子中学生拉致殺害事件、新潟小２女児殺害事件…「名もなき事件」も含めて数多の地獄と、直近では下のツイートを思い出した。(一部抜粋)
『12歳女児を騙して13回以上強姦した上、口止め料として数十万強請って逮捕された件をはじめ、逮捕歴22回 前科13犯あり複数から恨みを買っていたニコ生配信者
「妥当な末路」「犯人に投げ銭したい」「迷宮入りしてほしい」「必殺仕事人」…』
https://x.com/females_db_park/status/1794444648649507170
