"シンデレラストーリーのその先へ"
本作のメインコピーは確認していたが、その他は予備知識なしで鑑賞。単なる成功物語ではなく、コメディや人間ドラマ、格差や男女心理、エロティックなどが複雑かつ重層的に絡んだ極上の作品だった。
意外だったのはコメディ的要素。如何にも悪役といったアルメニア人達が現れた時は展開が一転し、シンデレラが非道な仕打ちに苦しむかと思ったが、これが見事なズッコケ三人組でストーリーが予想外の方向へ。前半とは全く異なる作品を観ているようで、中弛みや眠気を防いでくれた。
あまり大きな声では言えないが、登場キャラで最も共感できたのはロシア人のお父さん。アニーが妻と息子を罵倒した際、それに高笑いしちゃってる。あれは自身の悪妻が侮蔑され、ある意味痛快だったんだろうなぁ…。
雪が降る中、複雑な胸の内が想像されるラストシーンは好き。