「ガメラ 大怪獣空中決戦」
冒頭、太平洋上で巨大漂流環礁が発見された。九州の姫神島で謎の住民失踪事件が発生。鳥…鳥…。無線の声、海上保安庁、調査に訪れた鳥類学者、碑文、古代、金属のナン勾玉、破壊、パニック。今、超音波の大決闘、超遺伝子獣ギャオスが襲来…本作は金子修介(本編)樋口真嗣(特撮)が、それぞれ監督した平成三年の映画で、ガメラ三〇周年記念作品。この度、ガメラ生誕五十五周年記念として製作された四KBDを購入して初鑑賞したが面白い。前から見よう見ようと思っていたが、続編ものでなかなか手につかなかったが、ようやく最大級の映像と音響で見れることになったので鑑賞した。
本作は冒頭に、原因不明の海難事故が続発する中、プルトニウム輸送船、海竜丸が水深三〇〇〇メートルで座礁した。海上保安の調査員と海竜丸を警護していた巡視船ゆうなぎの航海士の米森は、事故を解明するため調査を始めた。そして海難事故の現場をたどり、漂流環礁を発見する。環礁には、多数の勾玉と不思議な文字が書かれたー枚の金属板があった。米森が金属板に触れると、環礁が突如揺れだし、全体が光り、ヒレのようなものが出てきた。漂流環礁は生物だったのだ。謎の巨大生物は米森たちを海へ振り落とし、どこへともなく去っていた。一方、五島列島、姫神島では、珍鳥の調査を行っていた平田教授が消息を立っていた。鳥類学者の長峰と刑事の大迫が島へ捜査に向かうと、集落は廃墟と化していた。不安を胸に山中を操作する彼らの前に、奇声とともに翼長十五メートルの怪鳥が姿を現す。長峰たちは飛び出した怪鳥を追跡、数匹いることを確認した。政府は、それを捕獲することを決定、長峰に方法を考えるよう依頼する。
長峰たちは、福岡ドームを利用した作戦を計画。作戦は成功するかに見えたが、ー匹逃してしまう。そこへ、あの巨大生物が海から現れ、奴らを叩き落とした。巨大生物は、福岡ドームへと進み、残りの数匹と戦いを繰り広げる。逃げる怪鳥たちはを巨大生物は手足を引っ込め、火を吹き出して追いかけて飛んでいった…さて、物語は太平洋上で巨大漂流環礁が発見された頃、九州の姫神島で謎の住民失踪事件が発生。鳥…鳥…と言う無線を最後に消息を途絶えたことから、調査に訪れた鳥類学者、長峰真弓は、そこで巨大怪鳥を目撃する。一方、海上保安庁の米森と保険会社の草薙は環礁上にあった石板の碑文を解読。その結果、環礁がガメラ、怪鳥がギャオスと言う古代怪獣であることが判明した…と簡単に説明するとこんな感じで、第6回ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭やブルーリボン賞、日本アカデミー賞等で受賞した超音波の大決闘。超遺伝子獣ギャオス襲来とのネーミングで世界的に多くのファンを持つ傑作の1本だ。正直、このような特撮映画を見たことがほとんどなくて、今回初ガメラだったのだが、この怪獣は正義の味方であり、子供の味方でもあると言うヒューマンな側面を持っているんだなと初めて知った。ガメラは亀からの発想なのは見ての通りだ。
このような特撮映画でも必ず地球環境に優しい演出をしている。本作は怪獣映画だから壮大な格闘場面が多くあるが、中に感動的なシーンも多くあり、娯楽映画となっていた。環境問題を考慮してストーリー作りしているのは今も昔も変わらない。それにしても日本の特撮映画って怪獣が何段階も進化していくのが面白い。本作の敵役であるギャオスは三段進化して今凶悪度がアップしている。ちなみに昭和ガメラと言う作品と平成ガメラでは今回ニューカガメラとして生まれ変わっているようだ。私は他の作品を見ていないためよくわからないのだが、古代超文明の遺伝子工学が生み出した進化の袋工事と言われる超危険生物がギャオスにあたるようだ。どうやら一九六七年に登場した超音波怪獣からキャラクターのデザインも一新し、異常な繁殖能力と3年三段進化で人類を破滅に追い込むような設定であった。そしてガメラは子供たちのヒーローであり、地球、大自然のヒーローとして描かれている。我々人間が知らぬ間に落としてしまったものを再確認してくれるような役回りである。にしてまエンディング曲の爆風スランプの神話とか懐かしい。
ところで映画を見ていてガメラってモデルが亀だからもちろん長寿の生き物でかなり長生きするんだろうなぁとふと思うのと、ユニークなスタイルで手足を引っ込めるのは面白いのと、それで円盤っぽく空を飛ぶのも魅力的。円盤状になり回転飛行するのは圧倒的だった。しかも万能怪獣で、陸、海、空、雨中どこにでも戦えるチート怪物だ。しかも日本や中国では、亀は縁起物で幸運の象徴とされている。この調子で他のガメラと戦う怪獣たちとの映画も見てみたい。バルゴン…バイラス、ギロン、ジャイガー、ジグラなど。
