着ぐるみやミニチュアが信じられないくらい精巧であり、全編を通してめちゃくちゃハイクオリティな特撮映画。ガメラって火を吐くし空も飛べるんだ……知らんかった……。
生物学を交えた怪獣の生態やガチガチに描写される自衛隊の戦闘シーン、合間に挿入される社会情勢の混乱に大変な説得力があり唸らされる一方で、超古代文明とかガメラの巫女とかいう特撮特有のワンダーさもあり最大公約数的な特撮の面白さがすごい。地球環境問題の提言があるのも時代を感じる。
ビジュアルも素晴らしく、夕日をバックに折れた東京タワーに鎮座するギャオスは最高にキマっているが普通に人死にや捕食シーンもあり、怪獣のテラテラした質感や粘液のグチャグチャっぷりなど低年齢向け特撮番組とは一線を画す生物としての生理的嫌悪感が新鮮。シン・ゴジラ以前の怪獣映画にこんな傑作があったとは……。
