ポップコーンキッズ

夏目アラタの結婚のポップコーンキッズのレビュー・感想・評価

夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)
3.5
面会での対話が中心という話の構成が面白い。全体的に「死刑にいたる病」のようにも感じたが、そこまでの重々しい雰囲気はなく、見やすかった。

内容はシリアス一辺倒でグロ要素も多分にあるにも関わらず、比較的重々しい雰囲気がない理由は、思うに
・柳楽優弥のキャラクター(元ヤン)
・プロポーズという突飛なストーリーの始まり方
・真面目だが見当違いな弁護士
・佐藤二朗演じる傍聴マニア
このあたりが上手く緩和してくれているんだと思う。

物足りなかった要素としては真珠に関わってしまった危険さや恐怖感をもっと出して欲しかった。今にも殺されるんじゃないかというスリルや、家族や大事な人も手にかけられるんじゃないか、こいつと関わってしまってよかったのかという不安を煽る描写がもっとあれば尚グッドでした。

真珠の長期ネグレクトの被虐待児としての描写のリアリティは気になった。最初のシーン、あんなに目をみて他人に感情的に対話することができるのは不自然に感じた。
また他者の同情をひいたり誘惑することで操作的になっているのはパーソナリティ障害のようにも思える。
一方で繰り返しバラバラ殺人をしたり、有利になるべく証言を二転三転させるのはサイコパス的な要素も感じられる。