山中監督でやっと河合優実をちゃんと観れると楽しみにしてた。ロングからのズーム。顔とスタイルは周りから浮いてはいるものの、この日池袋、渋谷、新宿と巡っていた我が、この娘さっき見たなと思える程の居そう感。東京の物語。早速喫茶店での河合優実が魅力溢れ、監督もお気に入りの"縮毛矯正"の手ジェスチャーといい、超自然で幅広い表現力。題名にある砂漠の使い方に山中監督の天才的センスを感じながら、拠り所に浸かる彼女の死んだ三白眼が個人的に超好き。散歩シーン、スケーターと側転で会話、同時放尿。金子君も良い。皆変人だからおもしろい。側に居てくれる人にたまに感謝すればいい。絶対東京なんかに住まないでナミビアでもどこでも都会以外に住むべき。自分の状態に名前が欲しい(→細分化)。
好みじゃないイマドキ邦画要素もあるが、撮り方やランニングマシーン描写や終わりなど、スクリーン外に貼り出されていた"日本版ヌーヴェルヴァーグ"の文字がしっくりきて期待が持てた。山中監督には日本のアケルマンやヴァルダになってほしいし、河合優実と東京じゃない大自然スローシネマか、ゴダールの『ウィークエンド』みたいなん撮ってほしい。何年振りに日本人監督の新作映画を観たか。河合優実を観るならこれ、彼女の代表作になったのでは。良かった。☆