はつみ

河童のクゥと夏休みのはつみのレビュー・感想・評価

河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)
3.5
クレしん映画2台巨頭であるオトナ帝国の逆襲と嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦を監督した原恵一のクレしん以来のクレしん以外の監督作品。
評価も高いだけあって期待してみました。
河童の子供・クウを拾った小5の康一とその家族を描く。
環境問題、いじめ、マスコミの報道過熱など日本の社会問題をかなり取り上げており1本の映画にしては詰め込みすぎてはともちょっと思うが、うまく取り込んでいて渋滞感はない。
ここらへんはさすがといたところ。

子供の声優は子供と決めているため、キャラによっては棒演技があったりする。
妹の瞳のクウに対する態度とかが割りとリアルだなと思った。
お父さんが会社の上司に大きな得意先様の依頼でクウをTVに出演させるところとかもリアルだし、そこでお父さんが折れてしまうのもリアル。
もっと、クウを隠せ隠せとなるかとおもったら、意外とマスコミにばれるし、話題になるし、なんというか河童という異物を扱っていながら他の部分はかなりリアルだなと思った。

ただ、遠野へ旅行へ行ったときに普通に川泳いでいたりしていたのでそこでばれるばれる!とこっちがあせってしまった。
軽率な行動だなと思う。小5だから仕方ないか。

飼い犬のおっさんが良い犬すぎる。ひかれちゃうの悲しい。


テレビに出演させられたかと思ったら、いきなり目の前に死んだお父さんの腕出てくるのは悲しすぎる。クウが号泣しちゃうの分かる。持ち逃げしたのはちょっと笑うし、研究員の人が返してほしそうにしてるのも笑う。

東京タワーで龍を見て自殺やめるのはなんかちょいきりなりファンタジーだな!って感じ

クウが人間はクソ!ってなってても、康一や康一家族は良い人。人間でも良い人はいるんだという考えになったのは良い事。人種差別への指摘。

ラスト、クウが康一の家を出て行くのはいいね。
送り先が沖縄のキジムナーなんは笑った。面白い。
でもクウはキジムナーみたいに人間に化ける術とかを習得しない限り、自由に外には出歩けないんだろうな。
キジムナーはどうやって生計立ててるんだろうか。

正直、オトナ帝国のようにめちゃくちゃ感動したってことはなかったけど、普通に良い作品だと思った。自分のやりたいこととこだわりをめちゃくちゃ感じて、今後も良い映画を作ってくれるとても可能性を感じる映画だと思った。
はつみ

はつみ