河童という得体の知れない生き物を通して、地球上で一番怖い生物は「人間」ということを強烈に訴えてくる。
共生を望めば、お互い平和でいられたはずが、「恐れ」を抱く弱い心が、自分達を守るために周りを傷つけていく。
古来から続く村社会精神は、未だにDNAとして刷り込まれているのはある意味ホラーだ。
この空気に飲み込まれないようにする気力と絆を持っていないと、いとも容易くそちら側の人間になってしまうだろう。
主人公家族のほのぼのさと現実の冷徹さのバランスが良く、子どもと一緒に見れて大人のアニメとして見る事ができる良作。
妹の天真爛漫さには、ほっこりしまくった。
自分の都合で正当化していく人間のなんと愚かなことか。
人間の業の奥深さと、悪と思っていない罪深さを攻めるギリギリのライン取りが秀逸。