マインド亀

バーン・アフター・リーディングのマインド亀のレビュー・感想・評価

4.0
当事者たちはいたって真剣
不毛なスパイゲーム

●当時映画館で鑑賞して爆笑だったのですが、今回14年ぶりにアマプラで再鑑賞。面白かった記憶はあるのに、ブラピの結末しか覚えて無くて、ほとんどまっさらな状態で鑑賞。
いやーやっぱり面白かった〜!これ00年代最高のコメディじゃないかしら。なんであんまり評価が高くないのかわかりません。当時日本の宣伝がバカコメディ的なノリだったので、内容があまりに静かなブラックコメディだったのがダメだったのかなと。ちょっとスパイ映画などの文脈などを踏まえた、ある程度リテラシーのようなものが必要だったのかしら、と思ったのですが、再鑑賞して、やっぱり単純に底抜けに面白かった!

●まあこのキャストのメンツがとんでもなく豪華!他の作品で色々サスペンスやら出てるような人たちが、今作では情報アクセスレベルが一般市民レベル(というか一般市民)。
なのに、どこかで得た知識でスパイ戦の当事者になり切ってしまったがために起こる、「極めて複雑な話」。
そうなんですよね、話のベクトルがあっちこっちに行って定まらずにキャラクターが複雑に絡み合うから、観てる観客も映画がどこに向かっているのか訳わからんのです。で、最終的にCIA上官のJ.Kシモンズも「クソややこしい話だ」(笑)と観客の気持ちを代弁。「何を学んだ?」「二度とごめんだ」「勘弁しろよ」これだけ豪華キャストが集まって「何の話?」と肩透かしを喰らう、このヌケの良いブッチギリのブラックジョーク!
マクガフィンなるものが全くマクガフィンじゃなくって、誰も追いかけてもないのにそれを巡って登場人物が右往左往するから、この滑稽さはかなり計算してないと出せない(笑)
そしてスコアだけはめちゃくちゃサスペンス映画の壮大な音楽(笑)

●エンディングはThe Fugsというオフザケバンドの『CIA Man 』。歌詞がとても面白いのですが、要は一般市民にとって、アメリカの諜報戦の薄気味悪さ、どの機関が何をどこでどうしてるか全くわからないという、ぼんやりとしたイメージを歌っているのですが、それがそのまんま映画になった感じです。
なので、普通のスパイサスペンスのあるあるを笑っちゃうジョーク映画なのです。
「1枚のCD-ROM」「CIA」「よくわからない数字」「ロシア」「姿を消した同僚」「謎の男の死体」「ミスターブラック」これだけの要素でも一つのサスペンスができそうですが、この映画の場合、一つ一つは全く重要度の低い何物でもない物っていうのが最高に笑えてしまいます。

●そして何物でもない小市民が右往左往するさまを演じる豪華俳優陣の芸達者ぶりが味わえる最高の映画(ブラピはやりすぎな気もしますが…(笑))なので、観ない手はありません。マジで至福です。










ネタバレ













●しかしながらブラピ、確か『ロストシティ』でも頭ふっとばされてたし、『デッドプール2』でも即死してたし、この人本当殺されたい願望でもあるのかしらん(笑)
マインド亀

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