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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦ののの字のレビュー・感想・評価

5.0
餅食ってから見たけど必要なかったかもしれない、たたみかけるアクションシーンに息つく暇もなかったよ。黒社会と絶妙な距離を保ちつつ九龍城砦をまとめるルイス・クー最高カッコいいです。老若男女問わずこまごまと世話を焼くとこが微笑ましい、中国や香港において最もリーダーに求められるのは面倒見の良さであるね。もちろん圧倒的に強い。そこにやってくるよそ者陳洛軍(このレイモンド・ラムって知らない人と思って最後まで見たんだけど、「尋秦記」の盤だったわ!)。揉め事を起こすなとは言われるものの、よるべない人々が肩を寄せ合って暮らす城砦の人々はやがて流れものの彼を受け入れていくのだった。さまざまな場所からやってくる人々を受容しまた出て行く人を見送ってきた香港という都市の縮図として九龍城砦は描かれる。よくわからない水が滴り落ち、よくわからないケーブルやアンテナが空を覆うアリの巣のように入り組んだ街は闇に閉ざされた巨大スラムではなく、人々が生活を営む明かりの集まりであると…。食品工場があり理髪店があり、陳洛軍は色々な仕事をするし最後までたくさんの働く人が出てくる。「カンフーハッスル」を彷彿させるとこもあったり、そういえばあれも似たような雰囲気の集合住宅だね。診療所もあってここはやっぱり「省港旗兵」を思い出します。そうして築かれた関係と義兄弟との間で起きるせめぎ合いを通し、龍捲風たちがまっとうできなかった「義」を若い世代が貫く。熱い、熱いです。増築に増築を重ねたカオスな建築がまた激しいアクションを盛り上げるわけ。いよいよサモハンが乗り込んでくるとか言われたらもう恐怖で崩れ落ちそうになる。私完全に遅れてきたカンフー映画ファンなんで、まさかまだ劇場で猛々しいサモが見られると思わなかったよ。また古い映画かかるといいな。硬気功を使う敵が最強で、焼けた炭をムシャムシャしたり神打みたいなのが斉天大聖を降ろしてたりするの見て大喜び!これまでは返還の不安や混乱が描かれることが多かったけど、未来を託された若者たち、そして変わらずたくましく生活していく人々によるラストは明るい。これ香港アクション再興の兆しですか!ねえ!?みんな見に行くといいほんとに
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