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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦のmasaakiのレビュー・感想・評価

4.5
2025 03 27

良い映画かどうか以前にクソおもろいwwwww

まず舞台が「80年代」っていうガバガバ設定だし(完全フィクションだから関係ないんだけど)、冒頭にアクションなのにカットが繋がってないシーンがあるし、こんなのアリかよ…な連続。

でも抑えるべきところは完璧に抑えている。その場で漂うだけの凧と、どこまでも飛んでいける飛行機の対比。船で密航した主人公洛軍は九龍城砦で凧となり、そのまま飛行機になる話かと思いきや、ちゃんとツイストもある。

城砦という閉鎖的な空間を舞台にしてその内側をしっかり撮る。大掛かりなセットを組んだらしいけど、全部のシーンがちゃんと撮れてるのは(撮影)監督の理屈的な技量というより感覚的なセンスのおかげだと思う。

昏睡状態の主人公を城砦の外で運び出す一連のシークエンスは、主人公の身体そのものがマクガフィンとなって、希望の象徴として、且つ物語の進行上、舞台が外側に広がっていくと予感させるワクワクがあった。だから対比として、閉鎖的な城砦で生き抜いてきた龍兄貴が最期、自ら扉を閉めることでさらに閉鎖的な空間に身を追いやる信念が、彼のアイデンティティをよく反映していた。

主人公たち若造4人組が敗れて城砦が乗っ取られた時点で120分くらい経過した気がして、「これ続編あるのか?楽しみだな」とか思っていたら逆襲始まったwwwwwどんなテンポ感してるのこの映画wwwww硬直wwwwwエピローグ、急いでメッセージ性を伝えようとする「変わりゆくけど変わらないものもある」のナレーションwwwww、80年代設定ガン無視した現代のポップバラードwwwww

なんとなくふと思ったけど、『ヴェノム』シリーズってこういうことをやりたくてできなかったんじゃないかなー


ちょっと追記。メディアのレビューにこんなことが書いてあった。

“「アクションがストーリーを語り、キャラクターを深めてゆく」のは、いまやアジアだけでなく、ハリウッドの超大作を含む現代アクション映画の作法だ。そこに香港アクションならではのケレンと味わいを存分に織り込みながら、ときにゾッとするほど恐ろしい暴力と殺人を交えてくるところに、この映画独特のストーリーテリングがある。”

125分の通常尺ながらテンポ感が異様で、無理なく多くのストーリーを詰め込めることができたのは、アクションでストーリーを語れているからだと思う。一発殴られて倒れたらそれだけで力関係がわかるし、同時にやられた側の復讐の動機づけも完了される。だから普通の尺で二転三転物語を転がらせられたんだろうね。
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