キンキン

ステレオ/均衡の遺失のキンキンのレビュー・感想・評価

ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)
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クローネンバーグの処女長編作。近未来、テレパシーの実験に取り込む科学者たちが被験者の男女を隔離して研究を行うも、被験者の一人が次第に精神に異常をきたし…。

驚いたのは、この時から科学批判、エロチシズムといったセックスへの感心、精神と肉体の関係と言った後の作品に繋がる物語が製作していた事である。全編ナレーションとモノクロが、不憫な空気を感じる。「ビデオドローム」公開時も意味不明で、見ていると頭がおかしくなる、なんてキャッチコピーがあった監督だけに、この映画も難解でついていくのに混乱。でもそれが、被験者達に何が起こっているか分からない、科学者達には分かるわけない、と言う人体実験の進化による科学的挑戦への批判の様にも見える。

異性愛か同性愛か、どちらがテレパシーの実験で反応が出るかと言うのがあって「総性愛」って言葉が出てきては、筒井康隆っぽいって思った。
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