カント

ワーテルローのカントのレビュー・感想・評価

ワーテルロー(1969年製作の映画)
3.7
池田理代子先生の「ベルサイユのばら」と、それに続く「ナポレオン」を読むだけでフランスの歴史通になれます。
池田理代子はフランスから勲章も貰っていて、その受賞の際にフランス文化大臣が「私は貴女のマンガで自国の歴史を学びました」と発言したのは有名。

余談ですが池田理代子は声楽歌でもあります。ある時の演奏会で10歳の少年ピアニストと共演。公演後に少年の手を握ったら「誰?」と。少年は目が不自由でした。「さっき歌ったおばちゃんよ」と言うと「ああ、すごく綺麗な声で、素晴らしい歌だった」と。その少年こそ今や世界で活躍する辻井伸行氏でした。
(池田理代子著「あきらない人生」より)

▼本作は、ナポレオンの戦いでも最晩年のワーテルローの戦いを、圧倒的スペクタクルで描いています。
皇帝を僭称しエルバ島へ幽閉され、島からの脱出から物語が始まります。
1815年。
ナポレオン率いるフランス軍の、進軍の軍鼓。
ウェリントン率いるイギリス軍の、進軍のバグパイプ。
重騎兵隊VS槍騎兵。
無数の方陣隊形に、無謀に突っ込む騎兵部隊。
池田理代子の描く「ナポレオン」の最終巻を、そのまま映画の中で描いていますが…本作の映像を池田理代子がそのまま引用していた事が分かります。ウェリントン将軍なんて、そのまんまでしたよ。
子豚泥棒の伍長を、もう少し活躍させて欲しかった。
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