サトモリサトル

五瓣の椿のサトモリサトルのレビュー・感想・評価

五瓣の椿(1964年製作の映画)
-
山本周五郎の同名小説が原作。
商家の娘・おしのが家庭を省みない淫蕩な母とその女に関わった男達を次々と殺していく復讐劇。

とにかく出てくる男がクズだらけ。
特に伊藤雄之助扮する好色な医師が憎らしい。
そして、元凶であるおしのの母親役を演じる左幸子が上手い。
岩下志麻との取っ組み合いのシーンでは、遠慮がちな岩下志麻に「もっと本気でやってよ!」と言ったとか。

3時間弱の超大作、復讐の鬼と化した岩下志麻の血気迫る表情は後の自身のキャリア(『鬼畜』や『極道の妻たち』シリーズ)にも繋がる。

ラストはどこか虚しさが残る。
ぽとりと落ちる真っ赤な椿が印象的。