このレビューはネタバレを含みます
エンタメ作品としての盛り上げ方を心得ている『ガッチャード』が、単独映画でそれを外してくるはずがなかった (劇中でボーカル曲未使用なのが惜しい!)
失礼な話になってしまうが、物語に感情移入する自分の熱量は、放送開始当時から考えれば信じられないレベル
絶望的な状況下ですっかりガッチャを喪ってしまった宝太郎(デイブレイク)が、別の歴史を辿ってきたもう一人の自分との交流を通じて再起奮闘する筋立てに思いがけず感極まる
所々あっさり気味に感じる箇所もあるけれど
TVシリーズにおけるこれまでの軌跡が活かされた主要人物の活躍ぶりに概ね満足
とりわけ宝太郎とりんねの、1話から積み上げてきた関係性の結晶が高火力で画面いっぱいに表れていた (YA作品好みな自分には堪らない!)
爽やかな作風を押し出す一方でハードな展開も多いTVシリーズから、後者のみを抽出したかのような未来世界の荒廃ぶりは、DAIGOさんらの熱演やバーチャルプロダクションの使用で比較的良く演出されていたと思う
持ち役をすっかり自分のものとしたレギュラーキャストの一部による、異なる役柄の演技もその印象を増幅させている
本作におけるサプライズとなった、「ピンチに陥ったカグヤの眼前に門矢士が現れる」一連の場面は、言ってしまえば挿入しなくとも物語の進行上支障はないのだけれど、初めて彼が我々の世界を通りすがってから15年経ったという事実から、とても穏やかではいられなかった
ただ続くレジェンドライダー召喚で、ゴージャスな味付けが判りづらかったのは残念
お馴染みの新ライダー先行登場について
お菓子モチーフのガヴからは、これまで(一見無茶だと思えるものも含め)幅広いモチーフを取り扱ってきたライダーシリーズの持ち味といえる「安心感のある斬新さ」が感じられた
個人的ライダー映画ランキングの上位に躍り出る程に気に入った一作
鑑賞後は清々しい気分だ.....