急逝した監督に代わって俳優の娘と映画製作者の息子が完成させたというカンヌ「監督週間」オープニング作品。
「主役には母が投影されている」と2人が語る、フィクションと現実を自由に行き来して"現実を映画作りに活用"する生っぽさが監督週間にピッタリ。
皮肉のこもったユーモアもいかにもフランス映画らしい。
ソフィ・フィリエール監督は監督業の傍ら「落下の解剖学」などに俳優として出演していたそう。
そう言われればカンヌ出品作ではしばしば「本格的な演技は初」と記されている新人俳優を観る気がする。
演じさせるというより、"生身の人間を撮る"というような方向性はフランスっぽさのひとつなのかもしれない。
ELLE presents カンヌ監督週間 in Tokioで観させてもらったのだけど、本作の日本配給は現時点で未定だとか。
多くの人にこの作品が広まれば、とトークショーに出演した井之脇海さんは本当に映画がお好きなんだなと思ったし、日本の映画界にこんな素敵な考えの若い俳優さんがいるなんて心強いしかない