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ミリキタニの猫のアイのレビュー・感想・評価

ミリキタニの猫(2006年製作の映画)
3.8
日系路上画家ジミー・ミリキタニ(三力谷)氏の痛ましい半生と、その救済までを綴ったドキュメンタリー。リンダ・ハッテンドーフ監督は、路上で生活しているミリキタニ氏に興味を持ち、ビデオカメラで映すことで交流を始め、やがて911テロ事件を切っ掛けに共同生活を始める。そして、少しずつ見えてくるミリキタニ氏の過去。

ミリキタニ氏は第2次大戦中に、アメリカ国籍を持ちながらも日系人ということでツールレイク強制収容所に収容され、アメリカへの反抗心から自ら市民権を捨てた。そして、ストリートで猫の絵を描きながら、アメリカの地で寡黙に闘っていた。時が流れ、リンダ監督との奇跡のような出会いがあり、長い闘いを終える。やっと訪れたミリキタニ氏にとっての平和。穏やかな日常。

人間は捨てたもんじゃない。出会いには凄い力があって、奇跡が起こることもある。そんな絵空事を信じてみようと思えるドキュメンタリーです。痛ましい話を描いてるのに、温かい。素敵な作品でした。
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