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犬も食わねどチャーリーは笑うのアイのレビュー・感想・評価

3.4
結婚4年目の夫婦、表向きは仲良く生活している裕次郎と日和。鈍感な夫に日々ストレス鬱憤がたまった日和は旦那デスノート(SNS)に愚痴を書き連ねている。それを知ってしまった裕次郎は……ドタバタ・ファンタジック・ラブコメディー。

夫婦の話ですが、周囲の人間関係、カップルのエピソードも多く、【多様性のある群像劇】として楽しみました。旦那デスノートに愚痴を書く妻たち、裕次郎の職場のバツ3店長やマリッジブルーの後輩男子、夫と5年セックスレスのパート主婦、日和のイケメン風でいけ好かない上司、無自覚にプレッシャーをかけてくる義母……出てくる人それぞれの個性や抱えてる問題、思いが、メインの夫婦と重なったり、響きあったり。観客も「わかる、わかる!」と共感できるんじゃないかな?

身近な日常を描いているので、大きな事件等は起こりませんが、飽きずに最後まで観れました。旦那デスノートというわりに毒はあまりなく、市井監督の持ち味なので無くせないだろうファンタジックさでリアリティも薄れている。でも、登場人物の感情・思いはリアルなので、刺さる人には刺さる。近くの席から啜り泣く声が聞こえたし、男性も泣いていた。

個人的に、市井監督のファンタジックな作風で作品に没入できず、途中で冷めてしまう。後半の山場(コールセンターでの場面)はやりすぎかなと。レジ袋も……。そこが好き!って言う方が市井作品ファンなのだと思う。

香取慎吾と岸井ゆきのの身長・体格差がたまらない夫婦、フクロウのチャーリーがとても可愛い。
余貴美子の箕山さんが影のMVPかなぁ。あたりまえの日常がどれほど尊いのか、それに気付けば変えられることもありそう。
宣伝等では裕次郎が駄目旦那と言われてますが、日和もけっこう駄目妻で、どっちもどっちな感じ。当然ですがお互い様!

犬も食わねど……、チャーリーも笑う。タイトル通りの安心して楽しめる夫婦の愛の映画です。 (なんだかんだお互いが大好きで、それゆえのすれ違いという……本当、犬も食わないですよ。ホッコリしかないw)
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