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エリン・ブロコビッチのMaoryuのレビュー・感想・評価

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)
4.5
3人の子供を抱えるシングルマザー、エリン(ジュリア・ロバーツ)は交通事故の裁判で敗訴し、そのときの弁護士エド(アルバート・フィニー)の事務所に押しかけて働き始め、環境汚染の案件が企業への大規模な告訴につながっていく。子育てが疎かになり、恋人ジョージ(アーロン・エッカート)ともすれ違うが、被害者のために賠償金を勝ち取ろうと尽力する。

スティーブン・ソダーバーグといえば、「セックスと嘘とビデオテープ」でちょっと面白そうな監督だったが、この映画と「トラフィック」で一気に売れっ子になってしまった。
いつものテンポの良さと、「トラフィック」でも見せた独特のくすんだ映像がとても印象的だ。

主人公エリンはいい加減で嘘つきで品がない。ただ、度胸と努力を原動力にグイグイ前に進んでいく。
器用じゃないから子供ともケンカしちゃうし、男とも別れちゃう。そんな、欠点だらけだけど頑張る姿を応援したくなっちゃう。

相手企業の弁護士を前にしたときのタンカの切り方が最高!!思わずガッツポーズが出てしまう。
エドとの掛け合いも、どんどん楽しく漫才みたいになってくる。

ただ、病気を抱えた子供の姿はあまりに痛々しくて、彼らのその後の人生を考えると、どんなに和解金を取っても喜べないし、すっきりしない・・・
とはいえ、3億3300万ドルはすごいし、ボーナスの額も口がふさがらないし、映画としてはめちゃめちゃ爽快感を味わえる!

そんな直情的で誰に対してもブレない演技が見事だったジュリア・ロバーツ。彼女の最高の演技が見られる一本だ。
この映画によって、アイドル的なイメージを払しょくできただろう。

「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「オリエント急行殺人事件」の名優アルバート・フィニーもこの映画で大復活を遂げた。この後、「ビッグ・フィッシュ」「その土曜日、7時58分」「007 スカイフォール」で味のある演技を連発してくれる。
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