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エリン・ブロコビッチのERIのレビュー・感想・評価

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)
3.7
In her shoes を観て、思いの外良かったことがきっかけで、観たくなりました。脚本家の人が一緒。しかも監督はスティーブン・ソダバーグ。

これは実話なだけあって中身もしっかり、胸をぐっと掴まれるだけの力を持っている映画でした。

ジュリア・ロバーツの映画の中でも、かなり上位に来るぐらい、ぴったりはまってる役です。彼女以外は考えられないぐらい。

ツンとした鼻が好きです。

あらすじは、カリフォルニア州に住むたくましく、強い母である女性の生き様を描いた作品。

特典映像に本人が話す姿とかも出てくるんやけど、ジュリア・ロバーツみたいに、ブロンドの長い巻き毛のスタイルの良い長身の女性です。ミス・ウィチタに選ばれるだけあって綺麗な人です。

彼女には8歳のマシュー、6歳のケイティ、9ヶ月になるベスという3人の子供がいる。しかも2回の結婚、2回の離婚のシングルマザー。仕事もなかなか見つからなくて、お金は底をつきそう。

自分がご飯我慢しても、子供には食べさせなきゃいけない。外見は衰えてなくっても、学歴もないから、なかなか仕事が見つからなくてイライラ。そんな時に、運転してると運良くか悪くか、衝突事故に合う。そこで自分の弁護をお願いすることになる、後に共に働くパートナーとなる弁護士さんと出会います。彼の名前がエド・マズリー。勝ち気で、口が悪い女性エリンに、最初は近づこうとはしないマズリー。だってあまりにも価値観が違うから。

そんな不運続きなエリンは、ひょんなことから、寧ろ押し掛けでマズリーの事務所で働くことになる。そこで一件の未処理事件を見つける。それが、PG&E社という大手会社の公害問題。無学で経験も何もないエリンが、子供を育てる為に必死で仕事を探し、そこで出会った仕事に夢中になり、そして嘘と偽りのせいで病気に苦しむ多くの人の為に立ち上がっていく。それが全米史上最高額といわれる3億3300万ドル(=300億円ぐらい?)の和解金を勝ち取るまでになる。もちろんお金だけではないけどね。何の罪もない人たちが、本当に重病に苦しんでるんやから。

彼女はマニュアルなんて、そっちのけで、自分の感じたことと、自分が見つけたことを信じて、どんどん突き進んでゆく。

そんな中で子供達や、恋人ともすれ違ったりもするけれど、ちゃんと分かり合えるようになっていき、一生懸命人を大切にしてゆく一人の勝ち気な女性の物語。

人間性ていうものが、どれだけ大切かっていうことを、ちょっと口の悪い女性が、体当たりで教えてくれる。

女性が男性と同じように仕事をするっていうのは、難しい。・・・というより、そもそも男性とは全く違うキャリアの積み方をするべきなんやろうと思います。男性には男性特有の良さってものがあって、女性には女性特有の鋭さや強さがあるから、それをそれぞれに認め合って、補い合って、仕事っていうのはあるべきなんやろうなぁと思ったなぁ。

このエリン・ブロコビッチっていう人は、ちゃんと自分で考えて、感じて、正直に生きている。自分らしく生きることの大切さっていうものが、いっぱい詰まっている映画でした。

これはドキュメンタリー映画ではなくて、エンターテイメント映画として、ちゃんと確立されていて、早いテンポと、エリンの口の悪さと、子供達の愛らしさと、エリンとは対照的な真面目な周囲の人たちと、そして最後にエリンを最も認めてくれるマズリーの台詞やキャラクターとしてのバランスがとても良かったです。
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