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And Yet We Were All Blind(英題)
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『And Yet We Were All Blind(英題)』に投稿された感想・評価

3.4
2021年ベアトリス・ポレ監督作品。彼女は脚本家としての活動が有名でルネ・アリオ、ラウル・ルイス、フィリップ・リオレなどの有名監督に脚本を提供してきた。同時に自身も短編やドキュメンタリー作品を監督しており、2012年には『Le jour de la grenouille』で長編劇映画の監督デビューをしている。本作はポレ監督にとって長編2作目である。

本作の冒頭でこの物語が実際の出来事に基づくという字幕が出る。実際の出来事というのは妊娠否認(pregnancy denial)とそれに伴う嬰児殺しのことである。この作品のきっかけはポレ監督が新聞記事で妊娠否認についての記事を読んで興味を持ったことから始まった。2011年に妊娠否認を専門とするフランスの団体AFRDG(Association française pour la reconnaissance du déni de grossesse)に連絡をとり、そこで女性たちと会い話を聞いていった。妊娠否認ではお腹が大きくなったり生理が止まったりという従来の妊娠の症状が現れず、自分で妊娠していると気づかない場合がある。女性は通常妊娠期間に不安や恐怖を和らげ、生まれてくる赤ちゃんに愛情を育むという精神的な準備をするが、その期間をすっ飛ばしていきなり生まれてしまうと、パニックを起こし、赤ちゃんに適切な処置をせず、最悪の場合赤ちゃんは死んでしまうことがある。本作の主人公が2児の母で弁護士なのは、すでに出産経験があり、日々法律と向き合っている人物であってさえショックを受け、理性的な行動を取れないことを強調している。

2人の娘を持つクレール(モード・ウィレール)とトマ(グレゴワール・コラン)は裕福で平穏に暮らしているように見える。ある日の晩、国立森林局で働いているトマは仕事が長引き、夜遅く帰ってくる。彼は小腹が空いたのかリビングでチーズを食べワイン飲んで、暗闇の部屋を横切ると、血まみれになっている妻クレールを見つける。クレールは病院に運ばれ、トマは警察で事情聴取を受けることになる。捜査で彼女の家の外のゴミ箱に置かれたゴミ袋に中で生まれたばかりの新生児が見つかる。病院で目を覚ましたクレールには新生児に対する殺人の容疑がかかっており、普段弁護士として他人を護ってきた彼女は自身を法律から守る必要が出てくる。クレールは学生時代からの親友ソフィー(ジェラルディン・ナカシュ)に弁護を依頼する。最初は夫のトマでさえ妻の妊娠に気づいておらず、警察の捜査も裁判での弁護の方針もうまく定まらない。ソフィーはクレールの弁護のために親身になって話を聞く。現在の生活や夫婦関係、過去の未解決のトラウマや抑圧などを聞き、浮かび上がってきたのが妊娠否認だ。しかしこれはまだ臨床科学の世界など一部でしか認められていない心理物理学的な領域の話だ。新聞などではクレールを魔女呼ばわりするような記事も出てきていて、妊娠否認をそのまま裁判に持ち込んでも、判事や陪審員を納得させるのは難しいとソフィーは頭を悩ませるのだった。

あまり知られていない妊娠否認での事故によって不条理な状況に置かれた女性と、周りの偏見や不寛容を裁判劇というスタイルでスリリングに描くベアトリス・ポレ監督の手腕に驚かされる。本作と同様にアリス・ディオップ監督『サン・トメール ある被告(2022)』も母親による合理的な理由のない殺人の映画として併せて観たい作品である。