Aki

CURE キュアのAkiのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.5
再見。大傑作。カッティングのリズムが狂っていると思いきや、サブリミナル効果の演出まで入れてきたw
本作は現実/非現実、刑事の自分/妻の世話をする自分といった「境界」が意識的に扱われており、精神病棟における高部賢一と間宮邦彦の文字通り「立ち位置」も数度入れ替わる。
この精神病棟の部屋の「両眼の眼窩」を想起させるような二つの窓、とくればやはりあの部屋は、高部自身の脳内=内面を暗示しているのだし、だからこそ、雨漏りと黒く滴り落ちる水の演出が一層不気味に映る。
間宮が女医を催眠にかける際の水の扱いといい、水がこれほど暴力的な映画はそう無いだろうが、火と水と「治癒(救済)」、この3つのモチーフから思い浮かぶのは、しばしば用いられる長回しといい、やはりタルコフスキーの存在だろう。
洗濯機、ミキサー、蓄音機の「高速回転」といい、その暴力的な音といい、言及し出すとキリがない。あのラグビーボールは一体何なのだろう。
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