どど丼

ベイビーガールのどど丼のレビュー・感想・評価

ベイビーガール(2024年製作の映画)
4.0
※川崎は東京じゃないです
※犬好き注意

人妻CEO×イケメンインターン学生、禁断の恋に落ちる。A24がそんな大人向けNL漫画みたいな話、しかもハリウッドの売れっ子大スターと旬の若手俳優でやるかよ!?と思っていたら、なるほど当たり前に意味がある。

建て付けとしては官能ドラマだしなかなか特殊な性描写もあったりするのだが、別にポルノとして見せたい訳では無いのは分かる、塩梅の良さ。ジェンダー平等が当たり前の時代、女性が社会的地位を確立していても、その立場を維持しようにも家庭や身体面での女性としての役割も並立させなければいけないプレッシャーがあり、こと恋愛や性欲に関しては本能的に男性側が上手になってしまう矛盾がある。並のフェミニズム映画から一歩踏み込んだ、まさに今語られ、問われるべき物語が展開されていく様が見事だ。これ、まさに年始に公開されたオードレイ・ディヴァン版「エマニュエル」でやって欲しかった(というかやると思ってた)話。めっちゃ良い、これが観たかった、たまらん、あとすっごい色んな人と語りたい。

ハリス・ディキンソン演じるインターン生のこの甘さというかメロさというか、あぁ女風のセラピストだこれ……となってハリスが耳元で囁くたびにずっと息呑んでた。彼にこの役オファーしたの天才すぎる(というかハリスじゃなきゃ観てない)。ニコール・キッドマンもよく受けたなぁ。あとインエクセスやジョージ・マイケルのやたらパンクな音楽を(しかもほぼフル尺で)流しまくり上げてて笑った、主人公の表に出し辛い感情の暴発が顕れてるみたいで好きだったな〜。

賛否割れてそうだけど、自分的には大満足の一本だった。あと、川崎は神奈川じゃないです(2回目)。B級映画の金閣寺ミームみたいなセリフをA24映画で、しかもめっちゃ肝のシーンで聞けたの嬉しい。
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