ヒロ

プリティ・ベビーのヒロのネタバレレビュー・内容・結末

プリティ・ベビー(1978年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ブルック・シールズが美しい。
ファッションとかその辺は、見ていて楽しい。
娼館で生まれ育つと、自分の環境の不幸が客観視出来ないから気がつけないのか。吉原炎上みたいに苦界である描写が無いので、幼いヴァイオレットが娼婦の真似事や体を売る事に抵抗がない描写がまぁ納得できるけど、現実悲惨な現場見る事もあるだろうから、抵抗が無い様は何だか不気味というか違和感というか…むしろストレートに早く娼婦になりたがってる様に歪さを感じる。(それが狙いなのかもしれないが)
吉原と違って、ここの娼館は金持ち専門っぽいから、利用客にも厳しい審査?があって変な客も居なかったのか。よく分からないけど。
そして大人(ヴァイオレットの初夜権オークションの時の)が凄く気持ち悪い。胸も腰もろくに育ってない、初潮を迎えて間もない位の体型の印象の少女。じっとりした目で値踏みして、あー気色悪い、って感じだった。
あと視聴して失敗したなぁ…、って感じたのがヴァイオレットが、自分が嫌いなタイプの女(女のコ)だった事だ。教育をちゃんと受けないとこうなるのか。。
衝動的で落ち着きがなく、自己中。自分の思い通りにならないと癇癪を起こす。
兎に角ベディブルーのベディ、シド&ナンシーのナンシーと同じで、落ち着きがなく、思慮深さがなく、短絡的で、自意識過剰、見てるとイライラする。失敗したなぁ、と。そういう女のコがヒロインの作品が苦手な人にはあまり勧めない。 

ヴァイオレットが、外の世界をろくに知らぬ自覚があり、写真家によって外に興味を持ち『外には私と同じ年で違う人生を歩んでる子が居るんだ』と知り、しかし『ここしか知らない』と娼館から抜けられない現実と、写真家との交流で外に対する『堅気で生きる』事に憧れ始め、理想と現実の狭間で葛藤する描写があると、ドラマが上がったと思う。(しかし違う映画になってしまうな…。)
でも主人公の必死で葛藤する姿が、見ている人の心を揺さぶる訳で…。(代わりに写真家は少し葛藤してるが…。少し。)
なので主人公があまり葛藤しないから、あまり感動とかは与えてくれない。
しかもあまり共感出来ない主人公、だから見てて応援しようとか、心配だ、頑張れ!とかそういう感情が視聴者に芽生えにくい。ズバッと言ってしまうと綺麗だけどクソ生意気だもん。
映画『ヴィオレッタ』も、同じ様に母娘の歪な関係や、少女に対する性搾取問題な部分があるけど、こっちは主人公が『ママを喜ばせたい!』『写真のモデルやったらママともっと一緒に居れる!』と言う純粋さと、母の要求がエスカレートしてゆく中で葛藤するので、主人公に感情移入できるしドラマがある。
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