1917年。
ニューオリンズの高級娼館。
そこでは純粋な職業として、“売春”がおこなわれていた。
この娼館の中の一人の娼婦の娘、12歳のバイオレットにとって、
その世界は日常だった。
そんな彼女も客を取らされる日がやってくる。
彼女は、まるで新人OLの初出勤のように、その日が来るのを待っていた。
まわりから大人として認められることが、
何よりも嬉しかった。
その娼館にやってきた、
若いカメラマン。
バイオレットは彼に淡い恋心を抱く。
それは、あまりにも幼すぎる恋だった。
母親は娘をおいて娼館を抜け出し、
バイオレットは一人になる。
時代は動き始め、
公娼廃止の波がやってきて、
娼館は閉鎖。
バイオレットはカメラマンと結ばれるのだが・・・
まず特筆すべきなのは、
バイオレットを演じたブルック・シールズの演技。
とてもまともとはいえない環境におかれた少女を、
見事に演じてます。
まだ幼く、意味もわからないのに、
娼婦のしゃべりかたを真似します。
残酷ともいえる状況の中、
それでも彼女には日常なのだということがよくわかります。
この作品以降のブルック・シールズは、
作品に恵まれませんでしたね。
「青い珊瑚礁」なんかにでてましたけど、
この作品ほどの輝きはなく、
演技力不足が目につきました。
ルイ・マルの演出がすぐれていることを、
証明することにもなりましたね。
この作品、カメラもとてもいいのです。
時代の移ろいを、見事に切り取っていると感じました。
映画が終わっても、
しばらく余韻に浸っていたい、
そう感じる映画でした。