アトミ

女体(じょたい)のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

女体(じょたい)(1969年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

84点

理事長小林卓造に会いたいと大学に現れた浜ミチ(会議室で待つ間に創作ダンス)。
息子の行夫に強姦されたと現れた秘書の石堂信之に慰謝料200万円を要求。
スキャンダルを恐れた理事長は始末を信之に任せた。
が、行夫の姉で信之の妻晶江はただのヤリマンには100万円で十分だとミチを下に見る。
が、信之はミチに要求通り200万円払うことを理事長に提案し、ミチに渡す(晶江には内緒)。

と、ミチは自分に親身な信之に惚れてしまいアプローチをかけ、初めは拒んでいた信之だったがミチと一夜を共にする。

ミチは信之のマンションへ訪れ、晶江に信之との情事を告白。
バカにした晶江への報復。

が、それを知った信之はミチのマンションへ。
と、部屋にパンイチの元カレ五郎(売れない画家。DV男)がいるのを目にし別れを決意。
が、ミチは五郎が勝手に居座っているんだと助けを求める。
信之は五郎と話し合いをする中で手切れ金500万円を要求される。
が、信之は理事長から裏金の管理を任されており簡単に金を用意し、五郎に渡す。


が、翌日になっても五郎はミチの部屋から出て行かない。約束を破り別れない。
そして信之の金銭源に目をつけ脅しをかける。
ブチ切れた信之は五郎と取っ組み合いとなり、五郎は玄関のコンクリート床に頭を打ち付け死亡。
信之は500万円小切手をミチにやり、自首する(人生を諦める)。


後日。
信之は過失致死&執行猶予が付き
釈放。
毎日面会にやって来てくれたミチに完全に惚れてしまい、晶江との別れを決意。
警察署に迎えに来てくれた妹ユキコとその婚約者秋月に伝える。

信之は理事長に会いに行き、晶江との離婚と裏金2500万円を退職金的に貰うと伝え、ミチの部屋に転がり込む。
ミチは夢出会ったBARのママになりたいとおねだり。
信之はBARを経営する。
が、自分の気にいった客にしか接客せずに酒をべろべろになるまで飲んでばかりのミチ。
信之は経営が成り立たない事をミチに話すが命令させる事を嫌うミチは口うるさい信之にイラつく。

そんな中。
ユキコは秋月と共にBARを訪ね、信之に晶江が絶対に離婚しない気持ちでいることを伝える。
と、ミチの態度が失礼だとオッサン客がブチ切れだす。
そのオッサン客を軽くひねり追い出す秋月。
ミチは秋月に惚れ、秋月にもらった名刺で勤める工場へ行きアプローチ開始。
が、秋月はミチを全く相手にしない。
最後(諦めるから)に夢(秋月と付き合って工場まで送迎) を叶えさせて欲しいとミチは秋月を助手席に乗せ、車を運転させてもらう。
車をぶっ飛ばすミチは電柱に突っ込み(無理心中。死んだら永遠に一緒になれる考え)、秋月は重症。ミチはピンピン。

秋月にだけは手を出すなと忠告していた信之は完全に愛想をつかし、ミチのマンションから出て行く。
ヤケ酒でベロベロに酔っ払ったミチは風呂へ。
その時ボイラーのガス管を踏んでしまいゴムホースが外れ、ガスが風呂場に流れる。

そんな中。
気になった信之は公衆電話からミチにTEL。
が、ミチはTELベルにもガスにも気づかないまま湯船の中でウトウトし、眠りにつく(死)。






というお話。
パンツ丸見えダンサー自由奔放のミチに魅力を感じた不自由(束縛)な信之。だったのに結局束縛をしてしまう。モラルででも縛ろうとする。
一人一人それぞれ良いところがあり本気で好きになってしまうミチ。みんなに本気らしい。
理解できるわ。
つまりミチは「男」なんだよね。
けど女だから世間や鑑賞者までもが「ヤバイ女」とカテゴライズするし「こうあるべき」を押し付ける。
生きにくい世で生き続けるよりも死は救いとなることもある。


PS
ラストシーン。お湯が黒い(裸が見えないように)のが違和感凄い。
アトミ

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