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女体(じょたい)のびのレビュー・感想・評価

女体(じょたい)(1969年製作の映画)
3.6
増村の中でも屈指の傑作と呼ばれる本作をついに見た。「理事長の息子に強姦された」という浅丘ルリ子の告白は本当にただ物語の掴みでしかなく、男のパーソナルスペースにずけずけ浸食する姿があまりにも図々しい。好きになったらその初期衝動だけでストーカーまがいの行動に出たり、外から潰していく戦法なのか、相手の婚約者にあえて見せつけるかのように下着姿で部屋をうろつき回ったりする厭さがすごい。岡田英次が浅丘ルリ子に対してどこまで本気だったのか最後の最後までいまいちよく分からないのが良かった。やっぱり、人を殺したら歯止めが効かなくなり何だって出来る気がしてくるものなのか。1人の女に振り回される話ではあるが、見たあと本当は男も女も誰ひとり愛してないし愛されてなかったんじゃ…なんて色々考えさせられる、ドライで切り捨てるようなラスト。
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