スワヒリ亭こゆう

Broken Rageのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

Broken Rage(2024年製作の映画)
2.5
作品の出来具合よりも、まずは北野武監督映画がアマプラ限定で映画を撮った事が考え深いと思いました。海外の監督もNetflixなんかで撮っているんだけど、北野武監督が撮るというのは凄く異例な事のような気がします。
そのぐらいハリウッドのヒットメーカーよりも北野武監督が偉大だというのを改めて思いました。

で、そんな異例のアマプラ・北野映画は普通の映画というよりはテレビサイズ又はモバイルで観る作品を敢えて撮ったんだろうと思いました。
独特なストーリーの二部構成が先行してますが、僕としてはテンポの早さが普段の北野映画とは全く違う。カット毎の短さもあって良くも悪くも無駄がない。凄くスリムな印象を受けました。
今のカットは何だろう?みたいなのが北野映画だと普段は数カットあるんですけど、そういうのを省いているのは僕としては少し寂しい感じがします。
テレビやモバイルで観るのを前提にして撮ると早送りや倍速再生したくなる感情を意識したのかもしれないですね。そういうのは僕としては、やっぱり嫌かな。やっつけで観るのは僕は好きじゃないですね。
それと四コマ漫画の連続性が北野映画のストーリー構成なんですけど、スリムな映画だと四コマ漫画の連続性がキッチリしすぎな気もします。
バイオレンスのストーリーに対してカウンター的にギャグで同ストーリーを展開する二部構成にしているのでキッチリしすぎなストーリーは狙いかもしれないんですけどね。
それが狙いかもしれないんですけど、フリのバイオレンスのパートでギャグがバレちゃってる所も何箇所もあったのも事実です。
ギャグが笑えなかったのは言いたくないけど事実ですね。
バイオレンスパートを緊張、そのスピンオフを緩和にした実験だと思います。
ですが、緊張と緩和の連続で見せるならまだしも30分の緊張、30分の緩和というのは少し無理がありました。

新しい事にチャレンジするのは凄いと思います。
とは言え映画館で上映する映画を撮って欲しいのが僕の本音ですね。