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歴史=核狂乱の時代
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『歴史=核狂乱の時代』に投稿された感想・評価

羽仁進監督の現在に至る最後の映画。核兵器廃絶を訴え続けてきた広島・長崎の人びとの道のりと、世界の核兵器開発の状況を伝える。「にんげんをかえせ」(1982)「予言」(1982)に次ぐ“10フィート映画運動※”3部作の完結編。

“日本の核兵器保有推進”を主張する参政党のさや候補が、本日開票の参院選東京選挙区でトップ当選を果たすとの予測が報道されている。世界で唯一の被爆国である日本の首都で「核武装は安上がり」と演説する国会議員を推し出すことの世界的な重さを、東京の有権者たちは解っているのだろうか?

広島・長崎に原爆が投下されてから来月は80年目を迎える。昨年は日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し「核兵器完全禁止・廃絶の願い」をあらためて世界に発信することになった。1982年に制作された本作はその中間里程標にあたる。

冒頭、中国・北京で「にんげんをかえせ」上映会が開かれる。被爆者たちの傷ついた体を記録したフィルムに、中国の人々は「原爆の被害に心が揺り動かされた」「私と同じ年頃のたくさんの女性たちの被害者の姿を見て心が痛んだ。多くの子供たちが傷つき苦しむ姿が目に焼き付いた」「日本はかつて中国を侵略した国家。核戦争だけでなく普通の戦争も反対したい。戦争の犠牲者はいつも市民。戦争の張本人はいつも権力者たちです」と口々に感想を語る。

「にんげんをかえせ」は、戦争直後に米軍が撮影した原爆被害調査フィルムをまとめたもの。アメリカ政府が封印し米国立公文書館に保管していたものを広島・長崎の募金運動によって購入し、1982年に初めて世に公開された。原爆放射能が人体に及ぼす影響は殆ど世界に周知されていなかった。

戦後、アメリカでは核実験が繰り返されたが、軍隊には放射能の危険性が充分に伝わっておらず多くの隊員が被爆した。その一人である男性は原爆症により両足を切断。左手は五倍に膨れ上がり切断を要するが、切断すると膨れは右手に移行する可能性が高いという。アメリカの研究所ではサルたちを被爆させ放射能の動物への影響を分析しようと試みているが、すぐに絶命し研究は進捗しない。

「にんげんをかえせ」上映会は中国に続いてアメリカ、ソ連で開かれる。初めて見る被爆者たちの姿に衝撃を受けた人々の声。一方で戦後世界で進む核兵器開発の状況が
レポートされる。1982年ニューヨークの国連軍縮特別総会。被爆治療を繰り返しながら核廃絶を求める運動を続けてきた山口仙二さんは、被爆者として初めて国連の壇上に立ち「私の体を見てください」「私たちのような苦しみを子供たちに与えないでください」「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と訴えた。

映画は放射能の、中国・アメリカ・ソ連の子供たちの笑顔に、世界の核兵器実験の模様、広島・長崎で被爆した子供たちの傷ついた姿をモンタージュしながら終幕する。世界公開に向けた羽仁監督の思いが伝わってきた。

本編では、差別により被爆者手帳をもらえていない在日コリアンが山口仙二さんに相談に訪れる模様や、戦時中に日本軍から試し切りされた中国人被害者の傷ついた姿も映し出され、反戦のメッセージが決して被害者目線の主張ではないことを表明している。

原爆の熱線で上半身を激しく焼かれた山口仙二さんが命を削りながら平和を伝える姿に心を揺さぶられた。戦後80年目、本作からも40年以上が過ぎた。世界唯一の被爆国である日本に暮らしていることを忘れずに、常に自覚していきたいと本作を観ながら心に刻んだ。

「核武装は安上がり」という演説の軽薄さと彼女に票を投じた東京の有権者たちに、他者は見えているのだろうか?


※10フィート運動
1980年に始まった反核映画を製作するための市民運動。米国立公文書館に封印されていた広島・長崎の原爆被害調査フィルムを、市民ひとり10フィート分3000円を出し合い購入しようというもの。50万人以上の参加者が集まり、購入したフィルムを元に3本のドキュメンタリー映画が製作された。

※3部作のうち本作だけは国際著作権の制限のためか配信もソフト化もされていない。ただし上映会は毎年行われている。

※音楽は武満徹のアシスタントを務めていた作曲家の毛利蔵人。アニメーションは現在「白組」代表取締役会長の島村達雄。ナレーターは鈴木端穂、神谷明。