ヨーテボリ映画祭にて。

コロンビアからパナマにやってきて移民のステータスが欲しいアナと、裕福だが認知症になりつつあるメルセデス、全く異なる二人の予期せぬ交流物語。

移民のステータスを得るには仕事がなければならないが子供がいればなんとかなるかもしれない状況のアナ、一方メルセデスには子供がいるが疎遠だったり事情があったりで孤独に歳を重ねているよう。
メルセデスの介護の仕事を好条件でオファーした娘を含む三人の思惑が一致、出会うべくして出会う運命だったのかもしれない。

アナとメルセデスを演じる二人の演技、特にメルセデスを演じたパウリナ・ガルシア良かった。
一見いじわる婆さんぽいが、きっと今まで自信に溢れ主導権を握り子供たちを厳しくコントロールしていたのだろう。そんな彼女が自分すら制御できなくなり他人の助けを借りなければならないのは屈辱的だったのだろうと思う。
アナはパナマで安定した状況のもとより良い生活を求めたいがために最初は仕事だと割り切りひたすらサポートしてるように見えた。
が、やはり世話をしているとお互い情がわいてくるのだな。

アナの秘密を思わず知られてしまいどうなることかと一瞬ヒヤッとしたが、あのシーンはとても印象的だった。それまで共依存的にも見える信頼関係が出来上がっていることを感じさせる。

重苦しくなりそうでならずに済むのは少々の緊張感ありながらとても穏やかで、落ち着くところに落ち着いたからかな。

最後まで観て気になったのはメルセデスの娘はアナの秘密を知っていたのかどうか。どっちとも取れると思うけど。