がちゃん

ファーゴのがちゃんのレビュー・感想・評価

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.7
お金が苦しい自動車販売会社の営業部長が、二人組のチンピラを雇って自分の妻を誘拐させ、裕福な妻の父親から身代金を奪い、チンピラたちと分けようと計画するのだが・・・

ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の作品で、序盤は、なんだただの狂言誘拐物かと思ってみていたが、妻を誘拐したチンピラたちの車を不審に思った警察官が撃ち殺されてしまうところから、趣が変わってくる。

事件の真相を追うのが、大きなお腹をした妊婦さんの刑事というのも、意表を突いた面白さ。

狂言誘拐を計画した夫は、事件がバレたら困るので警察に通報しようとはしない。
その場その場を取り繕うのだが、ひとつごまかすたび、一人殺されていくようで、切羽詰まった演技が次第にブラックジョークのように見えてくる。

妻の父親が、頼りない夫を差し置いて、自ら身代金を持ち解放の交渉に出かけるところも計算違いで、ここでも二人死人が出る。

金だけ奪ったチンピラが、現金のアタッシュケースを開けてみると、予定していた8万ドルよりはるかに多い金額が入っていて、これが元で、さらに死人が増える。

チンピラの片方が、遺体を木材加工機の中に押し込んで、ジューサーのように切り刻んでしまうところはもう笑うしかない。

いろいろあった難事件も、割とあっさりと解決してしまい、女性刑事もヒーロー然としておらず、最後は旦那と別途で他愛のない会話で終わるというのも、肩透かし的なオチでいい。

ちょっとグロいところもありますが、異色のサスペンスコメディですね。
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