トトCINEMAライフ

ファーゴのトトCINEMAライフのレビュー・感想・評価

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.7
BS12トゥエルビでの録画で久々の再鑑賞
冒頭から「残虐シーンを削除してる」と映し出されシラけたが、さすがに良い作品は理屈抜きで約2時間が経つのが早い…

序盤から「変な顔」の代名詞スティーブ・ブシェミや、情けなキャラがピッタリなウィリアム・H・メイシー、不気味で寡黙な大男ピーター・ストーメアの存在と演技が光る

アメリカ、ミネソタ州の雪に埋もれた小さな町"ファーゴ"そこで起きた事件を下敷きにコーエン兄弟が監督・脚本で彼らのカラーを出して料理した作品だ…いくつかの彼らの作品を観てきたがコーエン兄弟と言えば=ファーゴと思い浮かぶくらいの強いイメージはある

彼らの作品の全体的な感想は、退屈なくらい静かで淡々とした日常の中で、突然にというよりは同じく淡々と凄惨だったり、驚くような出来事が起きたりするが登場人物も不思議なほど淡々としていて何故かクスッとしてしたり、またそこがジワァ〜っと怖かったりなんかする…人間の闇を描きなからも、それが人間の業と諭してくるようなメッセージ性が(コーエン兄弟ワールド)という感じ?!

主演女優フランシス・マクドーマンドは、ジョエル・コーエンの妻でもあり兄弟の作品には殆ど起用されている(ティム・バートン作品にヘレナ・ボナム=カーターが起用されているのと同じ?!)

結局、自分達の思い描く世界観を演技で体現してくれる役回りなのだろう

前述した常連俳優スティーブ・ブシェミに代表される、変な奴と記述したが、このファーゴにおあては、ほぼ全ての登場人物が"変"な奴らだ💦

女性警察署長役で妊娠中という設定のフランシス・マクドーマンドのキョトンとした表情に、「ヤ〜ヤ〜ヤ〜」の繰り返しの素っ気ない喋り方、そしてやたと多い食事シーンw

優しいが喜怒哀楽を出さない無表情の夫

娘を誘拐されても動じないどころか、身代金を値切ろうとする父親

警察関係者や証言者らも含め、みんな変な人・・・それを寒々とした雪景色と厚着にフードを被った姿がユーモラスに覆い隠す

まるでペンギンのようだ…なんて訳わからない感想でついまとめてしまう自分であった💦

PS:冒頭の削除告知が無かったら、もう少し点数は上がった…