王道を往くコーエン兄弟作品。誘拐をテーマにしたダークコメディが多いコーエン兄弟の作品だが、今回もまさにその系統。少しコメディ色は薄いが、様々な人間の思惑が交錯する不条理な展開というのは、『ノー・カントリー』、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』、『ヘイル・シーザー』、『バーン・アフター・リーディング』全てこの展開だが、今回はちょっと怖かった。
ピーター・ストーメアとスティーブ・ブシェミの2人組がとてもいい味を出していたし、それぞれの思惑がバレないか、ずっと ハラハラして、やはりここはコーエン兄弟の演出の妙が光る部分だと思う。
象徴的なシーンが多く、そこを読み取っていくのも楽しい、佳作だと思う。
