シソウメ

ファーゴのシソウメのレビュー・感想・評価

ファーゴ(1996年製作の映画)
2.6
コーエン兄弟の監督作品はちらほら観ているが、自分には全く刺さらないようだ…。
皆さんのレビューを読んで少しでも魅力が分かると嬉しかったのだけど、あまり参考になるようなものはなく…。

無能を絵に描いたような車屋のサラリーマン、ただの無能ならまだしも不正を企てては自分の首を締め続ける日々。
ギャンブル好きが祟り、借金のため大金が必要になる。
金持ちの娘である自分の妻を誘拐させ、その親から身代金をせしめようと偽装誘拐を計画する。

この計画が穴だらけ、周りの信頼もなく自身も空回る。
しかも誘拐させようとした相手も一癖ある人間達だし、誘拐された娘の父親も傲慢で他人を見下すような人間。
そんな彼らが計画通りに動いてくれることもなく…。

全員が全員ボタンを掛け違い暴走。
その結果、無血計画が台無しの大量殺人事件になっていく。

「実話」を元にした映画、というギミックは、ただ単純に無駄なシーンを納得させるだけの効果しかなく感じたし、
何かと「お噺」をする登場人物がジョークを交えて警官と繰り広げる会話にも特に魅力を感じられない。
ブシェミの顔をいじるセリフに関しては面白味があったけど、笑えたのはそのくらい。

妊婦である女警官のマクドマンドのお芝居も、顔芸は目立ったけど凄みは分からず。
同じくアカデミー賞を受賞したスリービルボードの演技の方がよっぽど素晴らしかった。

ここまで書いてみて
ストーリーに対して不満がなく、こんな退屈な話を会話劇と演出を織り交ぜ飽きずに見せ切ったというのは確かにすごいのかもしれない。
激動の事件を追いかけた刑事が大事にしている小さな幸せとか、
確かに染みる部分はあるのかな…と思い始めてきた…。

アンジャッシュのすれ違いコントのもっとナチュラルなものなのかなー?
ブラックコメディについてはかなり練り込んでるなとは思うけど、やっぱり地味すぎる気がする。
これは感性かもしれないけど、嫌悪感はなくとも笑える内容ではなかったなぁ。
最後の最後のどんでん返し?的なものも含めて「で?」というのが感想だった。

ここまでコーエン兄弟の作品が批評家達に響いている理由が知りたい。
誰か教えて欲しいです。。
シソウメ

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