メジャーリーグ、フィラデルフィア・フィリーズのトレイ・ターナーをご存知だろうか?
メジャーリーグに詳しくない方でも2023年、日本中に興奮と感動を与えてくれたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本🇯🇵vsアメリカ🇺🇸の決勝戦で、対戦チームのショートを守り、先発した今永から先制のホームランを打った選手と言えば思い出す人も多いと思う。
だが、この短いドキュメント映画の主役は彼ではない。フィラデルフィアの貧困家庭に生まれ育ち、双極性障害でセラピーを受けながらフィリーズを応援し続ける、1人のフィリーズファン、ジョン・マッキャンの再生のドキュメンタリーだ。
ターナーは、前年にドジャースから提示されたクオリファイングオファーを拒否し、11年総額3億ドル(当時約405億円)の大型契約でフィリーズへの入団を決めていた。
ターナーがシーズン開幕前に参加したWBCでの成績は6試合で、打率.391、5本塁打、11打点、OPS1.483 と大暴れし、オール『WBC』チームの遊撃手部門に満票で選出された。
だが地元ファンの期待が最高潮に達した中、幕を開けたその後のレギュラーシーズンで、ターナーは開幕から夏場にかけて、まさかのスランプに陥る。
フィリーズファンのストレスは、限界を超えマッキャンの精神状態もボロボロになり、ついに自殺まで考える様になる。
だが、そんな彼を両親だけは見捨てなかった。もう一度生きるチャンスを得た彼は、2023年8月3日にSNSを通じて〝ある呼びかけ〟をする。その呼びかけはターナーを救い、チームをも救った。だが、一番救われたのは彼自身だったのではないだろうか😊
〈その後の余談〉
8月4日に本拠地でファンから激励のスタンディングオベーションを受け取ったターナーは、調子を取り戻し、最終的には打率.266、26本塁打、76打点、30盗塁まで成績を戻した。なお、30盗塁に対し、盗塁死はゼロと、シーズンを通した盗塁の成功率は100%であり、この30盗塁は、盗塁死なしでのシーズン記録として、MLB史上最多となった。