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アット・ザ・ベンチのkittomartのレビュー・感想・評価

アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)
3.6
ひとつのベンチを舞台にした会話劇のオムニバス。映画のチラシからして、もっとジム・ジャームッシュっぽい映画なのかと思いましたが、これはこれでオリジナリティを感じれる面白い映画でした。
全5編。どのストーリーも味があって面白かったですが、第2編はみんな声漏らして笑ってました。脚本は蓮見翔さんというお笑い芸人だそうでなるほど納得の面白さ。第3編のヒステリックにブチギレてる女性は、男性側からすると見ていて辛い。でも最後はちょっとほっこり。第4編はややぶっ飛んでいて割と好き。第1編と第5編は、ストーリーとしては日常的でありそうな素敵な話なんですが、広瀬すずの顔が整いすぎてほぼほぼファンタジー。印象的な顔のアップもあって、「“売れ残り”なんて百パーありえねえ」って思いながら鑑賞してました。(顔の造形が美しすぎて非日常なんすよ…笑)
会話メインで感性や雰囲気を楽しむ映画なので、こころなしか女性客が多かったように思います。鑑賞後退席しながら「わしも若い頃はこの手の映画に興味無かったもんなあ」などと思いつつ、思えば小学生の頃は主にSFやカンフー映画、中学になるとホラー映画にもハマり、それ以降は話題作や興味ありそうなものならジャンル問わずになりまして、要するに、センスや感性というものは後天的にも身につける事ができると考えるわけです。
という事で、映画が面白い面白く無いは人それぞれかと思いますが、カメラマンとしても大成功しているまだまだお若い奥山由之監督の映像作品として、興味ある方はしっかり映画館で観ておいた方が良いと思うのと、奥山監督の次回作は、あの新海誠の『秒速5センチメートル』の実写映画(2025年秋公開予定)だそうで俄然楽しみです!
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