カタパルトスープレックス

他人の家のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

他人の家(1949年製作の映画)
3.6
ジョセフ・マンキウィッツ監督が『イヴの総て』などヒット作を連発してノッていた時期に作った作品です。ジャンルはミステリーとなりますが、フォーマットとしては家族の愛憎劇となります。

七年間の服役を終えて戻ってきたマックス(リチャード・コンテ)。最初に向かったのは兄弟の三人(ジョー、トニー、ピエトロ)が経営する銀行。銀行の壁には創業者の父親ジーノ(エドワード・G・ロビンソン)の肖像画。兄弟三人にとって、マックスが戻ってきたのは嬉しいニュースではなさそう。そして、マックスを待っていた女性アイリーン(スーザン・ヘイワード)。アイリーンはすべてを忘れてサンフランシスコに一緒に行こうとマックスを説得します。マックスはなぜ服役することになったのか?アイリーンは何者なのか?という話です。

ミステリーのジャンルとしては「ホワイダニット」になるでしょう。なぜ、やったのか?なぜ、事件は起きたのか?結局は家族だからなんですよね。世代の断絶と言えなくもない。旧世界と新世界の衝突。ただ、現在から見るとわかりにくい部分もあると思います。家族のあり方って時代によって変化する。意外と普遍的ではないんですよ。この映画もそろそろ賞味期限切れかも……と思える部分もあります。

むしろ、この映画を現代でリメイクしたら面白いと思います。建屋は古くなっても、土台までは古くなっていない。この映画を観ると、この意味がわかると思います!