れおん

映画ドラえもん のび太の絵世界物語のれおんのレビュー・感想・評価

4.2
出来上がった絵でも降ってこないかな...ナゾの穴に、ナゾの絵、なんでこんなのが降ってきたのか。はいりこみライトを使って、みんなで絵の世界へ!絵の中に広がっていたのは13世紀・中世ヨーロッパ「アートリア公国」。不思議な少女・クレアと絵の上手な少年・マイロ、そして羽の生えた小さな悪魔・チャイとともに、のび太たちは絵に輝く"特別な色"の謎に迫る。

寺本幸代監督。伊藤公志脚本。
主題歌「スケッチ」/あいみょん。

誰かと思えば運命の... 超大作の物語でありながら、張り巡らされた伏線に史実をも融合させ、分かりやすく表現することが意識されつつすべて美しく回収されていく展開に、子供から大人まで全世代の感動を呼び起こす。次々と飛び出てくる秘密道具には思わず童心にかえってしまうし、新キャラ・クレアとマイロの関係性にはキュンキュンしちゃうし、のび太たちにちょっかい出してくるチャイは最高の引き立て役。

地球ひいては宇宙の歴史から人々の文明の歴史をひも解くと、実はとても切なく、貴いことに気づかされ、考えさせられる。その時代に生きた人が、その時代で感じたこと・考えたことを、その人の個性によって表現される絵画という芸術。人の一生は儚く、刹那に生きることの正しささえ導いてくれる芸術性が、絵画にはある。
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