かずシネマ

藏のかずシネマのレビュー・感想・評価

(1995年製作の映画)
2.8
「烈」って良い名前だなぁ。
そして流石蔵元、立派なお屋敷。
成長した烈の着てた着物が可愛い。
紫と緑の物と赤と黒のストライプの物が。あとピンクのエプロンも可愛かったな。2ピースの洋服も素敵。
オープニングのタイトルとキャストクレジットのフォントがいまひとつ。

皆さん若いなー。
一色紗英も夏川結衣も可愛い。
西島秀俊はとんでもなく若い。筋肉マンになる前だからな。

うーん…90年代も半ばの作品なので映像はそれなりにクリアだし、スタイリングやメイクも違和感が薄いけど、悪い意味で全体的になんか古い。気合いや気持ちで乗り切る感じが強いからか…。
とても90年代半ばの作品とは思えない。若しくはこれが悪い意味での90年代っぽさなのかも、とも思う。
そしてかなりダラダラと展開する。
起承転結が曖昧。結が特に弱い。
仰々しい演技演出をしている場面もあるので、盛り上がってる「っぽい」雰囲気はあるけど、実際は盛り上がってない。
特に雪の中を歩いてるシーンは尺取り過ぎ。
何よりも肝心要の烈の魅力が伝わって来なかった。
この作品の描写では、我が強い、只のわがままお嬢様としか認識できなかった。
もっと仕事の才覚を描写して欲しかった。

宮尾登美子原作作によくある、胸焼けしそうなくらいの脂っこい決闘だったり欲望だったり…という場面や描写も一切無いので、観やすいと言えば観やすいんだが、無きゃ無いでちょっと物足りないというw
なんとなくだけど、この作品は原作を読むか連続ドラマ版を観る方が良いのかもなと思う。観た事ないけど連ドラ版はキャストを見る限り結構良さそうに思う。

伯母さんも不憫だけど。
夏川結衣の役も不憫だった…本人が言ってる通り、ずっとのけ者やんね。
烈は烈で継母がいるとしんどかったろうし。
つまり親父さんが空回ってるし、言ってる事も無配慮でまぁまぁ酷いw 時代背景的に仕方ないけども。
でもあの父ちゃん、倒れた後も血圧上がる事ばっかり起こって大変やなぁとは思ったw

あと、烈が嫉妬するのは分かるけど。
でも「貴女も涼太が好きなんやろ?!」と詰める様子はあまりに子供過ぎて好きじゃなかったわ。
疑われた2人ともに失礼だわ。
正に親方さんが言う通り「世間知らずの小娘の気まぐれ」だ。
私はあの人と結婚する!できなきゃ飛び込む!みたいなのも、相手の気持ちを確かめもしないで…暴走しててヤダなぁw
結局はお嬢様の只の我儘なのに、相手の返事は「イエスかハイ」しか無いという、有無を言わさない感じもヤダw


烈役は一色紗英でなく本来は宮沢りえが演る予定だったのだとか…。
キャストクレジット順でモメて降板したらしい。
脚本を担当した高田氏によると
【本来は2番手だった義理の母役の浅野ゆう子が、トップじゃないとイヤだと言い出した。そうなると宮沢サイドが「話が違う」と怒るのはしゃあないな。】
…って事で。
大変やったんやね……。(白目)
(高田氏のインタビュー引用元 https://www.asagei.com/excerpt/65584)

どうでもいいけど、一色紗英と山口紗弥加がごっちゃになる時があるんだよな。
これを観ていても、どっちだっけ…となったw
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