公開6日で興行収入16億元(320億円)を突破するという大ヒットを記録した中国🇨🇳発の社会派サスペンス。
プログラマーとモデルは海外で大金を稼げるという求人に釣られ、詐欺組織に引きずり込まれてしまった若い男女を中心に、騙す側、騙される側の立場から〝現代社会の闇〟を描く。
フィクションとして描かれているが、似た様に事件は世界中で頻発している。日本🇯🇵の振込み詐欺は、高齢者がターゲットになっているが、本作のオンラインゲームやオンラインカジノの詐欺は、ゲーム感覚で手を出してしまう若者たちがターゲットになっている😰
スマホひとつで、いつでもどこでも参加できるネットカジノが恐ろしいのは、参加する側に〝闇カジノ〟が持つ、場の怖さや後ろめたさや罪悪感が全く働かないことだ、更に通常ではワンテーブル数人のプレイヤーが、ネットだと数千人、数万人が一度に参加できてしまう。バーチャルの世界で億単位の金が一瞬で動くのだ。
言葉巧みに騙されて、アジア某国のアジトに連れてこられた彼らは、男はプログラマーやハッカーとして、女はネット上のカジノディーラーとして働かされ、組織から解放されたければ〝詐欺で大金💰を巻き上げろ〟と脅される。
罪悪感に苛まれる彼らに首謀者のひとりは〝引っかかる奴らは欲に目が眩んだ負け犬だ〟と言い放つ。
中国社会で深刻化するネット詐欺をテーマに、人の心の根底にある〝欲〟によって人生を翻弄されながらも、必死に抗い立ち上がろうとする人間の姿を描き出す。
特に教養も常識もあるエリート階層の若者が、ちょっとしたキッカケで〝オンラインカジノの沼〟にはまり込んでしまう描写は、中国特有の〝啓発映画〟としての側面はあるものの決して他人事とは言い切れない。
犯罪組織にからの脱出劇というエンタメとネット詐欺やギャンブル依存症という社会問題を巧みに組み合わせた硬軟併せ持つサスペンス。中国映画だからと侮る事なかれ😊
〈余談ですが〉
今や北米と肩を並べるほどの産業規模となった中国🇨🇳映画市場。注目作が公開されるたびに日本🇯🇵とは桁違いの興行収入をたたき出している。
2023年の年間興行収入が1兆円超となり、2024年も日本映画「百円の恋」のリメイク作品「YOLO 百元の恋」が35億元(700億円)超の興収を記録したという。
日本でも100億円を超えた映画は2本あったが、いずれもアニメ(コナンとハイキュー)で、実写版ではトップの「キングダム大将軍の帰還」が約80億円と市場規模の違いは明らかだ😅
韓国映画にいつの間にか抜かれたと思っていたら、後ろから中国映画の足音がヒタヒタと聞こえてきそう💦
※ジャケット写真がないので事務局にリクエストしておきました