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王様の剣のcheeeezmのレビュー・感想・評価

王様の剣(1963年製作の映画)
3.7
2021.46作目。


やっぱりクラシック長編作品いいよなぁ。ちょっと目を離した隙に、もうキャラクターは動いている。そんな目まぐるしさはあるのに、起承転結の激しさはあまりない。どちらが好みか、とかはあるけどね。私はこっちが好き。

小説「永遠の王」を映画化した作品。とは言っても中身を全部映画化したわけではなく、アーサーが王様になるまでのお話。
意外にも、剣を抜くとか抜けないとかの話は本当に最後のみ。アーサー、もとい、ワートが「剣を抜けるような人間になるまで」の成長譚にフォーカスが当てられている。
そして個人的にはそれが好みだった。

確かに、映画と言うよりはテレビ映画感がある。場面転換はほとんどフェードアウトだし、それぞれのストーリーが途切れている感じもする。
でも「頭を使う」という一言で終わることが、しっかりと描かれていて楽しかったよ。本作品のヴィラン、マダム・ミムも中盤以降に出てくるし、ヴィランにしては制裁の仕方も優しめ。マーリンやアルキメデスも愛嬌があって、楽しかった。
対してエクターのキャラブレ感はすごかったけど。認めてんのか認めてないのかどっちだろう、ってなる。ケイはまぁ、憎まれキャラだよね。
マダム・ミム、結構好きだなぁ。マーリンvsマダム・ミムの決戦は、クラシック長編作品の特長が出ていて、特に楽しかった。また観たいシーンのひとつ。

「自分にわからないことがあるからって、それが間違いとは言えないでしょう!?
自分だけで決めて、人の意見を聞かないのは勝手です! 」ワートの反論が、とてもまっすぐで素晴らしかった。
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