Cat

アラビアのロレンス/完全版のCatのレビュー・感想・評価

4.8
これぞ映画なんだ…!!!
と感動した…
砂漠に住む人々を、土地を、風習を、どうやって食事をして、どうやって衣服を扱うのか、どうやってラクダと共に砂漠の中で過ごすのかなどを映像にそのまま捉えている。

自分の知らない未知の世界が映画の中に開けていて、ロレンスの友として、本人として、または遠い時間と距離を隔てた第三者としてアラビアを渡る。

砂漠の風に舞い上がる砂の帯が本当に美しく、それが何度も何度も出てくる。美しさと苛酷さが交互にやってくる砂漠は海のように人を惹き付けるのかもしれないと、この映画を観て初めて思った。

風が強まればテントは軋むし、ロレンスの唇だって渇く。砂漠を渡る間に砂まみれになりながら痩せていく。衣服はテント代わりになるし、らくだは疾走できるんだぜ!?笑

1962年にこの大スケールとリアルさ、いったいどれだけの制作費と構想、準備、撮影、編集期間を経たのかと思うと眩暈がしそうなくらい。

砂漠の広大さと1人になる恐ろしさ、砂漠で見つめる自分自身という一個体。
軍に戻れば多数の人間の思惑に縛られた世界。
アラビアは自分を解き放ってくれる土地だったのかもしれない。
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