アラビアのロレンス/完全版の作品情報・感想・評価

「アラビアのロレンス/完全版」に投稿された感想・評価

2019/01/02 新文芸坐
2019年映画初め!
面白かったですはい。以上
shibamike

shibamikeの感想・評価

4.5
これはアラビアのロレンス。

2018年1月1日。丁度365日前に池袋の新文芸坐でデヴィッド・リーン監督の「戦場にかける橋」を観た。
めちゃくちゃ感動して、デヴィッド・リーン凄い!と思い、この「アラビアのロレンス」も観たくて観たくて気になっていたら、ようやく鑑賞のチャンスに出くわし、ノコノコ新文芸坐へ。
上映時間が長い、というのは覚悟していたけど、普通に夢中になって観れたので、退屈はしなかった。

前半は砂漠の神々しさとラクダしゃんの健気さに眼球を鷲掴みにされ、あっという間に終わった。ストーリーもロレンスの「わしゃ、アラビアでいっちょやったりまっせ!」と少年マンガのような上り調子に溢れていたので、観ているこっちもアゲアゲな気分に釣り込まれ、ニコニコしていた。
砂漠の映像は本っ当に壮観。蜃気楼ゆらめく彼方から人の粒が近付くシーンも素敵だった。実際は死ぬほど暑くて大変なのだろうけど、ちょっと行ってみたいと思った。

後半からはへヴィな泥沼劇となる。少年ジャンプを読んでいると思っていたのが、いつの間にかビッグコミックオリジナルを読んでいたような。前半快活に見えたロレンスもただの調子付いた天狗に成り下がり、結局最終的に自信も自尊心も砕かれ、ズタズタ君になってしまう。
とはいえ、後半も見応えのあるシーンばかりで、皆殺しに皆殺しで応酬するシーンには胸が引きちぎれるような気持ちになったし、ダスカマスでの占拠では、自治の難しさがアホな自分にもよく伝わってきた。

ネットで色々本作のレビューを見ていて「なるほど!」と手を打ったのが、"本作にはBL要素がある"、という意見(トホホ…)。
まず女という女がまともに1人も映画に出てこない。そして、ピーター・オトゥールの下まつげ長めの新宿2丁目お姉ぇ顔。そして、映画中盤にはトルコの小柄な軍曹から性的な暴行を受けたということをほのめかすシーン。
極めつけはロレンスの一番の理解者アリとの決別シーン。ロレンスの元を立ち去るアリをハウェイタット族のアウダが呼び止めると、アリはめちゃくちゃ動揺しながらよくわからないことを言う。
うん、これは砂漠初のBLだわ。
男の園に女性(にょしょう)は不要でござる。
というか「戦場にかける橋」も女性出てこなかったし、こうなってくるとデヴィッド・リーンがそういうことなのだろうか。

マッチの火を指で消し、熱さを求めた男ロレンス。熱さを求めた結果、砂漠の熱に焼き付くされてしまったのかも。
彼は「運命なんてない」と強く言い張っていたが、結局人間1人の無力さを骨の髄にまで感じたのだろう。

柴三毛 心の一句
「アラビアと 思っていたら マラリアで」
(季語:マラリア→怖い→お化け→怪談→夏)
noel

noelの感想・評価

5.0
校則でがんじがらめのミッションスクールに通っていた私が映画鑑賞という現実逃避を覚えるきっかけとなった記念すべき作品なので満点ですが、昔も今も世界史の知識が薄いので、色々分かった上での満点ではないことを記しておきます。
でも、休憩入れて4時間超の作品のリバイバル上映にフィレオフィッシュバーガーを持参して11時に映画館に入り、18時半までたったひとり×三度も足を運ばせた程の魅力のある作品であることには違いない。

三十数年経過した今でも、オープニングの真上からの構図や、ロウソクの火を吹き消す青い瞳の横顔や、アリンコから徐々に人の姿になっていくアリの遠景や、初めて純白の民族衣装を着てはしゃぐ姿や、魂抜けた表情や、もちろんあの音楽が恐ろしくリアルに蘇ります。

完全版のDVDが出た時に迷わず買ったけど、まだ一度も再生していません。
もしまた観るとしたら、やっぱり劇場の大きなスクリーンじゃないと。
Koh

Kohの感想・評価

-
高校生ぶりに観るとかくも違う印象を受けるかと驚いた。高校生の時は、砂漠いいねえアリカッコいいなあ、ロレンス、「ヒストリエ」のエウメネスみたいだなあ、と素朴に感じてたけどそれは単に後半を理解してなかったからだろう。

哀しい白人というか、ロマンチシズムと幻滅というか。カーツ大佐レベルの墜ち具合目前のロレンス。

後女性が1ミリも出てこない。そこをアリがネコ的ポジでキュンキュンさせてくるのがウケた。トルコ将軍からのレイブ(?)描写とかも前は気づいてなかったな。英雄譚の皮をかぶったドロドロな映画でした。

このレビューはネタバレを含みます

前から
TSUTAYAでソフトを手にとっては
上映時間の長さゆえに
スルーしてきてしまった今作を
ようやく初鑑賞!

めっちゃ面白かったんだけど
なかなかに複雑な人間関係や
ロレンスの悩みが重層的すぎて
受け止めるのが大変な作品…

アラビアを支配しているトルコと
軍事衝突をしているイギリスの
陸軍中尉・ロレンスは
大のアラビアオタク

そのアラビアオタクっぷりを見込んだ
英国陸軍は、アラビアの情勢を
探らせようと彼をアラビアに派遣

しかし、ロレンスは
トルコからの独立紛争をしている
武装グループなどとタッグを組んで
トルコの支配するアカバの
奪還を試みる

しかし、その為には
縦断不能と言われる砂漠を
限られた物資と時間で
渡らなければならなかった…!

っていうのが
あらすじの一部

パレスチナ問題の知識があると
かなり背景が分かりやすくなると
思います

※ パレスチナ問題 ざっくり補足
(間違えている箇所もあるかも…)

現在のイスラエルは
元々は、ユダヤ人の土地だったが
世界中で迫害に遭ってきたために
世界中を転々としていた

そのユダヤ人の留守となった
間には、イスラム教を信仰する
パレスチナ人が住んでいた

ところが、そこに世界を
転々としていたユダヤ人が
戻ってきたために
領土の帰属問題が発生

そこで、双方が相談を持ちかけたのが
「イギリス」

当時のイギリスは
ユダヤ、パレスチナの双方に
「あの領土での独自国家建設支持」を
表明する書簡を送るという
二枚舌外交を展開したために
事態が泥沼化

イギリスは
この問題の解決を国連に付託

国連は
ユダヤ人が国家建設に関わったと
いわれるアメリカが主導権を握っていた
ことも影響したのか
領土をユダヤ人に帰属させ
ユダヤ人国家・イスラエルが建国された

その結果、その土地に住んでいた
パレスチナの人たちは領土を追われて
難民化、イスラエルと対立する

事態を重くみた国際社会は
ノルウェーを仲介に入れて
「オスロ合意」を締結

以降、ガザやヨルダン川西域での
パレスチナ自治が始まる

そして、現在
イスラエルはパレスチナ自治区との
隔離壁を建設し
パレスチナ自治区にイスラエル人を
入植させるなどの排外政策を加速

双方の溝は深まるばかりとなっている
実は一般的なイメージとは違って、国家・組織や果ては仲間にまで置き去りにされた男の、哀しさややるせなさに溢れたこの映画。25年前にオリジナル版を観た時よりも、今回のほうがより強く、哀しさを感じました。もう少し、雄壮で爽快な気分になれる映画だったよう
に記憶してたんだけどなあ。
リプリントの際の編集に、哀しさや切なさをより強く感じさせる何かがあったのか、こちらの加齢によるものなのか・・
太郎

太郎の感想・評価

-
2019/01/01@新文芸坐 #1
2014/12/27@ミラノ座
大晦日に、3時間48分の[完全版]を鑑賞。
『アラビアのロレンス~オリジナル版』は、学生時代にリバイバル上映の大スクリーンで何度も観ていたが完全版は初見。
完全版は、デヴィッド・リーン監督自らが再編集したバージョンとのこと。
オリジナル版よりも約20分長いのだが、全体を見渡して、どこがどう違ったかはさほど気にならないほど完璧な作品だと思う。(具体的に、どの削除シーンが完全版に追加されたのかは、DVDに添付されていた冊子に記載されているが、もはや細かいことは気にしないで観るのがベターという気がした。)

冒頭、バイク事故シーンに続いて、ロレンスの葬儀シーンで「ちょっと握手したことがあるだけの男」などが映されて、カメラは過去に飛ぶ。
イギリス陸軍のロレンス(ピーター・オトゥール)は、マッチの火を指で消すなど変なことをしている。そんな彼が、アラビアに居るファイサル国王に会って、イギリスへの協力を取り付ける役を担ってアラビアに赴くが、最初はラクダも上手く乗れないロレンス。
そのうちに上手くなり、ラクダで走るシーンなどは素晴らしい。

広大な砂漠を描いたシーン、遠くから点のようなものが近づいて来たら人だったシーン、砂嵐のシーン、カスバ攻略シーンなどなど「ワイドで見事なシーン」が多数あり。
また、物語も、ファイサル国王に会うロレンス、アカバ攻略は海からではなく陸から行うロレンス、アラブ人に黄金を渡すために軍の上官と会うシーン、列車爆破シーン、など見所満載の中で展開される。

この映画が素晴らしいのは風景描写だけでなく、ロレンス個人の思いの移り変わりを描いているところだと思う。

大傑作のひとつ!
[デヴィッド・リーンの最高傑作]

 素晴らしかった。

 いろいろ言われているように、この作品は、壮大な砂漠の場面は映画館で観るにふさわしいものなんだろうが、再び映画館まで行けないのが残念だった。

 しかし、DVDであっても、本当に砂漠は美しかった。遥か彼方から、アリ(オマー・シャリフ)やロレンス(ピーター・オトゥール)が立ち現れる場面や、朝日が砂漠の彼方に昇る場面は目も眩むほどだ。完全版で、映像は本当に美しかった。
   
 また、ロレンスが、最初は英雄視されていたものの、英国にもアラブの国王にも次第に利用され、最後には切り捨てられるのが痛ましく、大変な人生だったと思う。

そして、軍隊にはなじめず、アラブの砂漠の"清潔さ"にのめり込んで行くロレンス、また、ホモセクシャル的な彼の妖艶さを演じられたのがピーター・オトゥールの魅力なくしては考えられなかっただろう。

 デヴィッド・リーンの最高傑作だと思う。(2017.4.23)
へい

へいの感想・評価

-
壮大でめちゃくちゃ長い。
砂漠の美しさと厳しさに浸る。
なんといっても全編を通した人の多さに驚愕する。街の侵略を俯瞰で見た時の映像を見た時には涙が漏れそうになるぐらい映画の凄さを感じる。

理想を持っていたロレンスが自然の残酷さ、人の儚さ、憎しみの連鎖に直面していく姿にグッとくる。
>|