1990年代、神宿る島、長崎県の離島・対馬で選挙活動を始めた佐藤由里子(27)。新聞記者の田島圭介は、由里子を追って訪れた対馬で恐ろしい光景を目にする。カギとなる「緑の物質」。 1960年代に遡り、なぜかこの時代に一人で生きる由里子の姿が…。巷で若い女性の無残な遺体が次々に見つかるが、みんな若返りの薬として「緑の物質」を服用していた。張本人は、AIの導きに盲従するだけの「自ら考えない」人類だった。 AIが密かに人間社会に忍び込み、あたかも神のようにコントロールしようとしていることに気づく田島。 時が過ぎ、認知症が進んだ80代の由里子。家族となった田島に、医師はAIを利用した新しい治療法を勧める。「緑色」の治療薬を目にしたとき、田島の頭に昔の記憶がよみがえる。