MashOさんの映画レビュー・感想・評価

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異人たち(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

本作は山田太一の原作をモチーフにしたイギリスの作品です。今から35年以上前になると思いますが、山田太一原作、大林宣彦監督の「異人たちの夏」を大林ファンの友人に誘われて鑑賞した記憶が蘇りました。
主人公
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No.10(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

前半と後半でこれほど内容やトーンが異なる作品はほとんど目にした事がありません。
出来れば全く予備知識なしで見る事をおすすめします。
前半は睡魔に襲われるかも知れませんが、後半は。。。。

強いて言えば
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.5

ドラッグ、セックス、ゲイからエイズなど時代の先端のサブカルチャーを撮影し続ける前衛写真家のNan Goldinの半生と、彼女を中心にオキシコドン製造の米製薬パーデューと戦ってきたP.A.I.Nの運動を>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

日本人にとってはナーバスな題材である原爆開発の舞台裏というか開発に中心的に携わったオッペンハイマー博士の栄光と没落を描いたもの。
テーマから鑑賞を躊躇していましたが、見ずに批判することはできないと思い
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

フランスでは年間800件以上の殺人事件以上が起きるが約20%は未解決。出だしから本作は未解決事件を扱っていると宣言しているような作品。
実際は事実に基づくフィクションです。
10月12日深夜〜未明に友
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

Phoebeはボーイッシュで中性的ではありますが前作と比べて比べてかなり大人っぽくなったと思ったところ、演じたMckenna Graceは17歳のお嬢さんなのですね。InstagramやXで知りました>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.5

中絶の権利を得るために戦う女性達の話というと「シモーヌ」を思い出しましたが、
本作はアメリカの話でフランス映画とトーンが違って妙に明るくポップな感じさえ受けました。
とは言え自らの命の危険の回避のため
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.3

繰り返し繰り返し同じ人を殺し続けるタイムループSF。
理由はともあれ、繰り返しの殺人はある種のノアール作品と思いきや徐々にトーンが変わり殺す側と殺される側に奇妙な友人?関係まで生まれてゆき不思議な感覚
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.2

若松孝二監督を軸に若き日の井上淳一監督達を描いた青春群像劇。
若松監督はほとんど存じ上げないですが、社会派の井上監督の原点が分かった気がします。
監督作ではないですが、脚本作の「福田村事件」は衝撃的で
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ブルーイマジン(2024年製作の映画)

3.5

映画界の性被害をテーマにした女性監督による作品。
性被害を直接描いていないものの、本人や友人、シェルターである「ブルーイマジン」の人達の日常を描くことで心の叫びというか内面が良く表されていました。
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.5

ベストセラースパイ小説の「アーガイル」の作家であるコーンウエイが作品の中に巻き込まれる冒険譚。
色々都合よく起こる事は置いておいて、パロディとすれば愉快で痛快な作品でした。こんな展開があるのかと。
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作は未読。
魂の繋がりをクジラの声に繋げた本屋大賞受賞の話題作。
児童虐待、ネグレクトや親子の呪縛といった最近良く聞く問題に更にLGBTQを絡めた意欲作でした。
杉咲花は本作と少し前に公開された「市
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

先行上映で鑑賞。
迫力が半端なく、Dolby Cinemaで観て良かったと思う作品です。
壮大な叙事詩とでも言うストーリーで一見の価値があります。
Part 1を鑑賞してから3年半経過しており、忘れて
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.6

13歳/14歳の少年法の線引きがハイライトされており、つい最近あった中学生カップルによる美人局の事件を何処か彷彿させるものでした。
ただ原作は中国のドラマですので偶然ですね。
いずれ少年犯罪が社会問題
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.4

Keioバスが走っており、丘陵地帯の画一的な団地群があることから、多摩ニュータウン?と思しき場所が舞台。
パートを解雇され新たな職を探しつつ、かなり前に受け取った転居通知を手掛かりに知人を訪ねる中年の
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

フランスの山奥の山荘に暮らす夫婦と息子の三人。
妻は売れっ子作家で夫は作家を目指すが上手くいかない教師の夫、息子は視力障害者といった設定。ある日転落死した父を息子が発見、状況証拠から妻による犯行として
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

エログロが散りばめられており、何を見せられているのか?と思う作品。
ボーは(むしろ本作の監督、脚本家)は統合失調症か?という印象、更には母親の歪んだ愛情を感じる作品でした。

主演のホアキン・フェニッ
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罪と悪(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

本作も性被害に端に発したもの。ジャニーズに限らず「魂の殺人」とでも言う重いテーマが根底にあります。
少年時代の出来事を背負って、狭い閉鎖的な街で生きて行くのは辛いだろうなと思います。
正確な台詞は忘れ
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熱のあとに(2023年製作の映画)

3.1

愛しすぎたゆえホストの彼氏を刺し殺そうとした沙苗を演じた橋本愛。
実に2018年以来の主演作で色々葛藤があったと文春オンラインに記事が載っていました。
橋本愛というと「あまちゃん」、「西郷どん」、「青
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

個人的にはアカデミー賞作品賞受賞の下馬評が高い「オッペンハイマー」よりこちらの方が受賞して欲しいなと思います(やはり日本人としてはオッペンハイマーは応援できません。作品の良し悪しは別として。)
ただお
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唐獅子仮面/LION-GIRL(2022年製作の映画)

3.0

唐獅子仮面が外国人女性で全編英語の字幕映画ってどうなのかな?と思いましたが、意外にすんなり見られました。
主人公の唐獅子仮面役の女優さんが日本人的だったからかも知れません。実際、舞台挨拶で見た彼女は小
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

原作未読。
アニメ放映されたものを見て面白かったとの妻の勧めもあり、夫婦割で鑑賞しました。
時代設定、登場人物、ストーリー(序盤しか知りませんが)から面白くない訳がないと思いましたが、期待を裏切らない
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VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

3.4

多くの人類が絶滅して二極化した一部の人間が生き残っているという近?未来を描いたディストピア。
裕福なシタデルに生きる者と外の危険な世界に生きる者。
主人公のヴェスパーは危険な世界で戦地で傷つき寝たきり
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ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)

3.4

実話に基づく作品。
フランスからドイツに移り住んだ作家のエマは新作の題材にと高級娼婦館で実際の娼婦として働きます。
妹の猛反対にも関わらず娼婦てして様々な客に接したり、娼婦仲間との日々を過ごすなか、ご
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「プラセボ効果」って本来薬としての効果を持たないものを服用することによって、何らかの改善が見られること。逆に「ノセボ効果」は本来薬として効果を持たないものを服用しているのに、望まない有害事象が現れるこ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

このような些細な日常を描いてカンヌ国際映画賞がとれるのか?と初めは思いましたが、そこはこの監督の凄いところ、ひとつたりとも、一瞬たりとも一日たりとも同じ事はなく、その中で輝くものを見つける事の幸せを描>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

歌は超有名なため、「枯れ葉」ってこんな内容だっけ?と思わせる作品でした。
アル中で仕事中の飲酒が理由で作業現場を繰り返し解雇されている中年男のホラッパ。一方で理不尽な理由からスーパーを解雇されたアンサ
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市子(2023年製作の映画)

4.1

思うところがありレビューに躊躇するような作品。
最後のカップルは一体誰か?
市子の歩んできた人生、この先を考えると涙せずにはいられません。
それにしても実際に無国籍の人は世の中にどの位いるのか?そして
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ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.8

妊娠を人工子宮(Pod)に委ねる事が可能になった近未来、自らの昇進と子どもの両方とも手に入れたいキャリアウーマンのレイチェル。一方自然に子どもを授かりたい夫で植物学者アルヴィ。
結果Podを選択した夫
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.9

リドリースコット監督、ホアキンフェニックス主演の大作。
ナポレオンについては史実として教科書レベルの情報しか持ち合わせていませんでしたが、(創作の部分の部分はかなりあるとは思いますが)彼の人間臭さ、特
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隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

3.5

惑星難民Xが身近に潜んでいたらどうするか?
突拍子もないテーマと思いきや、お互いのことを真に理解することの難しさをテーマにした深い意味を込めたある種のラブストーリーと言っても良いかも知れません。
で一
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クオリア(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

インディーズ系の映画と思いきや結構奥が深い内容でした。
無精卵しか産ませないニワトリと子供ができない夫婦、そしてその夫の不倫相手。色々な意味を込めての作品と思いますが十分に咀嚼できない部分もありました
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(2023年製作の映画)

3.9

信長の天下布武から本能寺の変、そして山崎の戦いまでを北野流に解釈して描いたもの。
信長、荒木村重、明智光秀など武将間の男色が背景にあるとの新解釈?
ドロドロしており、またすぐに首を切るといった残忍なシ
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.2

殺人事件を巡る話ですが、フランス映画らしく、ユーモアとエスプリが効いたもので、100分弱の作品ではありましたが、十分堪能できました。
複数のレビューにもありましたように、二重構造になっている事、またM
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

空襲と出征により子供と夫を亡くした小料理屋の女性を趣里が、戦争孤児を塚尾桜雅が、復員兵で心を病んだ元教師を河野広紀が、そして戦地で上官から理不尽な命令を強いられた元兵士を森山未來が、それぞれ熱演してい>>続きを読む

水いらずの星(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

元夫婦が瀬戸大橋を渡った街で再開。
別れたあと壮絶な人生を歩み、今は売春を生業としている元妻。そこへ死の病を宣告された元夫が訪ねて行きます。
約2時間半の尺の作品ですが、全体の八割?は二人のたわいもな
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