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The Royal Family(原題)
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『The Royal Family(原題)』に投稿された感想・評価

Taku
5.0
 演劇家系であるキャベンディッシュ一族について、個性豊かな彼らが自分の人生を模索していく様を描いていた喜悲劇(舞台)である。1975-1976年に復活公演されたとき、ローズマリー・ハリスは長女ジュリー・キャベンディッシュを演じ、その34年後である2009年には一家の長ファニー・キャベンディッシュを演じた。
 そのテレビ映画版である本作は、アメリカの公共放送サービス(PBS)で放送されているシリーズ『Great Performances』のなかで放映された作品であり、演出しているのは、ハリスの元パートナーでもあるエリス・ラブである。ラブはその他にもファニーの息子であるトニー役として出演もしている。本作の素晴らしさはエヴァ・ル・ガリエンヌやハリス、サム・レヴィーンなどの舞台役者のパフォーマンスにほぼ集約されているが、映像作品だからこそという瞬間も散りばめられている。全体的にコメディチックに描かれたドタバタ劇であるが、不意に表出するエモーションをカメラが適切に捉えており、非常に感動させられる。
 映画は家族の長であり大女優であるファニー(エヴァ・ル・ガリエンヌ)の写真のモンタージュから始まる。ここで映されるのは、1999年に91歳で他界した、アメリカ演劇界の多大な貢献者であるガリエンヌ自身の写真である。次にカメラはハリスが演じるジュリーへと焦点を映し、同様に彼女のモンタージュが始まる。ここでもやはり映されるのは、『冬のライオン』のエレノアなどの、ローズマリー・ハリス自身である。つまり、本作はそこに演じられるキャラクターと演者が重ね合わせられていることが分かる。  
 序盤、カメラが俳優ジュリー・キャンべディッシュの置き写真にゆっくりとズームする。次の瞬間、彼女が颯爽と現れ、クイックズームで彼女を捉える。そして颯爽と階段を下っていく。ハリスが優雅で活力溢れんばかりに体現するジュリーは、まさにスターそのものである。一方で彼女は結婚への願望も持ち合わせており、その狭間で揺れていることが物語が進むにつれて明らかになる。そういうジュリーの役柄は、ハリス自身とも重なる。ジュリーの娘グウェン(メアリー・レイン)が結婚のために役者としての道をすべて閉ざそうとした場面も、やはりハリス自身の物語に重なっていく。
 本作では、ハリス=ジュリーの内面を捉えた素晴らしい瞬間が多くあるが、特に白眉なのはガリエンヌ=ファニーが立ち回るラストだろう。この最終盤は、バトンが次世代へ受け継がれていくことを描いた名シーンであり、その瞬間に立ち会ったジュリーの顔=ハリスの名演をクロースアップで捉えたラストがあまりにも美しいのだ。
 彼女の半生を踏まえると、スター・ローズマリー・ハリスが2009年にファニー・キャベンディッシュとして再び『The Royal Family』に戻ったことは、とても自然に感じる。彼女はジュリー/ファニー・キャベンディッシュという役を通じて(もちろん、その他の役にも当てはまるが)、自己のペルソナを体現しているとも言えるからだ。