アンディがミランダの下で右往左往する、というプロットは前作の反復のようだが、20年前のランウェイ的価値観を受け入れていた者達の物語に焦点があたる。その意味でアンディはあくまで狂言回しであり、悪魔だった>>続きを読む
とても面白かった。『悪魔のいけにえ』について5人の論客が語っていくドキュメンタリー。アカデミックな分析はあるが、それも含めて「私の『悪魔のいけにえ』」が語られるところが面白い。そうやって「私の映画」と>>続きを読む
面白かったが、割と変なバランスの映画だったように思う。
台風の急襲によって堤防が決壊し、洪水が町を押し寄せる。水没した町は孤立し、さらにサメ達も一緒にやってきて阿鼻叫喚の世界に変わる。
町に流入し>>続きを読む
カンヌでは賛否が激しく分かれたようだが、個人的には、そこまでの熱量を持って賞賛あるいは批判するような作品ではなかった。
『ジュニア』『Raw』『TITANE/チタン』と同じく、少女の心的成熟と肉体>>続きを読む
ストーリーは結構平坦でありサスペンスも弱いが、様式美に則った作りで悪くはない。一番のアガリポイントは、「首なしバイカー」で『悪の法則』を思い出した冒頭だが
面白いけど、題材に対してややあっさり。意外性のあるキャストが良かった。
傑作であり、映画的に虚構と実在が接続されるラストに感動したが、マックス・リヒターの音楽(しかも一番の感動ポイントでは既存曲)それ自体が映像を差し置いて白眉になっているので少しずるい
動物を人間社会の寓話にしたときに生じる摩擦、生物多様性と共生は人間社会のそれと本質的に違うという問題を、完璧ではないが乗り越え、絶妙な塩梅で現実を反映して物語化している。作品内リアリティ内でのぶっ飛ん>>続きを読む
面白かった。フィル&クリスらしいテンポの良いバディもので、エンタメに科学的好奇心を刺激するエッセンスをまぶした映画版の語り口なら大成功の作品だと思う。ペンバートンの劇伴も良い。一方で、「彼」の船内にワ>>続きを読む
良かった。パンクには全く詳しくないが、その流れや精神性がよく伝わった。"ほぼ"実録映画として、当時の空気感を再現していたのも良かった。"私たちのレコード"を手に駆け抜く熱い想いが、それが作られる工程の>>続きを読む
ジム・ジャームッシュ新作で金獅子賞受賞作。父、母、兄妹と題した3章をオムニバス式に描く。それぞれの話がアイテムによって緩く相似しているのが楽しい。親と子の微妙なすれ違いをユーモラスに描きつつ、最後は親>>続きを読む
『オズの魔法使』という物語に対する真実。その意味で「西の魔女」の最期を影絵として目撃させる構図のキレ味。ポピュリズムに支持された物語に屈しながら、善を成そうとする姿は今だから沁みる。ただ話運びは雑だし>>続きを読む
大傑作。同じようなテーマを扱った『アイム・スティル・ヒア』みたいな実録物と思えば、ジャンル史を自由に横断する映画的魅力に溢れた作品だった。ワグネル・モウラの主演作、自分は『エリート・スクワッド』ぶりだ>>続きを読む
ろう者/クルド人の双方において様々なレイヤーがあることが描かれ、複雑な言語空間の中で如何に相互理解するか、その真っ直ぐだが斬新な演出が素晴らしい。一方、視覚障害者を透明化したように見えたり、新言語のロ>>続きを読む
最近だとアンドレア・アーノルドの翻訳が「嵐が丘」という地の感性を良く捉えていたが、全く違うアプローチ。これはこれで良かったが、その感性を捉え切れていない気はする。冒頭から最後まで一貫して性と死が共存す>>続きを読む
面白いが、「『かぐや姫』が悲劇をハッピーエンドにしている」という指摘が、本作にも当てはまってはいないかと感じた。いろはは結果的にかぐやに救われてはいるが、物語が彼女に主役としての重荷を負わせる構造が、>>続きを読む
傑作。名前が「シラット」だし『マッドマックス』みたいなビジュアルだから、そういう話かと思ったら、どうやら音楽映画?らしい。観てみたら、上記は全て正しかった。特に、非言語的に政治性を纏わせるのは『怒りの>>続きを読む
『ヒート』ではないと思う。面白かったが、これならもっと「行き場のない者たち」の話に絞った方がよかったと思う。その意味では、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』のゴズリングを思わせるバリー・キヨガンの存>>続きを読む
中々面白かった。もはや特殊能力と言えるほど針と糸の扱いに長けながら、無鉄砲に事案に首を突っ込んでいく主人公。ifが連なる構成が合っている主人公造形
面白かった。入りは『スペル』であり、有害な男性性への対抗から始まるが、徐々に観客の共感を排してサム・ライ味のある怪物vs怪物の対決になっていく。「怪物のままでは終われない」が美しかった彼のアメコミ映画>>続きを読む
超良かった。謎にノリノリなレイフ・ファインズ("彼"への愛故の、とも言える)に目を奪われるが、シリーズの集大成的な側面もある。
「そこにいるのは人間だけ」というのも一作目から一貫していること
良かった。2000年代のハリウッド映画の風を感じさせる。『サーチ』系譜の新たな快作(なので、皆都合良くビデオ通話してくれるのはご愛嬌)。ただ、現実の生成AIが発達していくなかで、AIが提示するビジュア>>続きを読む
良かった。視線が印象的な映画。目が合うときに共犯関係が生じる。自己を封じる恋愛禁止システムを前にして、瞳を受容/拒絶するやりとりのサスペンスと、その目線がこちらを向くときに生まれるカタルシス。結末を含>>続きを読む
岐阜ロイヤル劇場で。面白かった。水戸黄門をベースにした、ミュージカル仕立ての喜劇
退屈に感じてしまった。ラストの聖書の件が一番面白かった。シンプルな話をやたらハイコンテクストにして、物語の線を断絶させている。シネフィル受けは良いと思うが、歴史の継承という観点でも、最適解かと言われる>>続きを読む
2026年映画初め。『シャークネード』の監督作にしては正統派サメ映画が目指されている。まあ色々あるけど、映画初めとしてアサイラム製のサメ映画をシネマスコーレで観る趣が最高
面白かった。まずアニメーションとして観たことのない体験だった。『コングレス未来学会議』も参照作品の一つらしいが、確かに連想した
傑作。有害とも言える父の"娘達"。その狭間に流れる個人的な価値感情=sentimental value。「オスロ三部作」で示したように人生はそう上手くはいかないが、その複雑性をそのまま繊細に描く。誕生>>続きを読む
セルフポートレートとして良かった。本作の場合、被害者として/ジャーナリストとして、という対立はずれていて、当事者がこの映画を作り上げる過程≒本作であることがジャーナリズム的にも重要ではないかと思う。主>>続きを読む
難病の娘をほぼワンオペで抱えながら、セラピストとして働く主人公が、精神的に破綻していく。劇中ほぼローズ・バーンの顔面クロースアップであり、その作劇が珍しく効果的な作品。全編で母娘の映し方が印象的だが、>>続きを読む
傑作。ルカ・グァダニーノ新作。ポリティカル・コレクトネスに関わる近年の動きを批評的に論じる。『TAR』とも通ずるが、こちらの方が好き。やや消化不良感は残っていたが、そこでフレーム外から発せられたラスト>>続きを読む
安定に面白かった。ブノワ・ブランの登場まで1時間空く構成だが、その間メインを張る(本作の実質的な主人公)ジョシュ・オコナーが弱々しさと滑稽さ、悩める善性を両立させており良い。
2025年のパルム・ドール受賞作。ジャファル・パナヒの新作というと身構えるが、圧政に対する問題を扱いながら、明快なキャラクター描写とオブビートな笑いを誘う作風で見やすい作り。それでいて、僅かな間で批評>>続きを読む
移民差別的事件について映画の撮影中、セットの中に焼き焦げたコーランが見つかる。それ以降、主人公の周りで不審な出来事が起き始める…。社会についての洞察や、スリラー演出など良いところはあったが、いまいち弾>>続きを読む