カラン

遊星よりの物体Xのカランのレビュー・感想・評価

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)
3.5
アラスカで未知の生命体と遭遇した米軍の話。

面白いなと思ったのは、宇宙人が植物であるという設定。不気味なものと植物を結びつける何かがあったのだろうか。

ドン・シーゲルの『ボディ・スナッチャーズ』(1956)も宇宙からの未知の生命体は鞘(さや)を形成する植物であった。『ボディ・スナッチャーズ』の植物はアメリカが当時恐れていた中南米からのコミュニズムの蔓延とコカインが重なりあった象徴的な植物であったが、本作のは不明。血を吸う植物という恐ろしいのか恐ろしくないのか謎の設定。

ジョン・カーペンターのリメイク版を再見する前に、オリジナルのほうを観てみた。時代を考えると灯油で炎上させるシーンや電気で焼き殺す際の電撃等はかなり頑張っていると思う。なかなかはっとする技巧であった。しかし、フランケンシュタインのような宇宙人の出演は合計で3分くらいだろうか。昔は適当に作ったCGを合成してというわけにいかないので何かと金がかかる。低予算のセット撮影で苦しかったろうが、なんとかかんとかごまかしたというレベルだろう。

ハワード・ホークスが本作の監督だと思っていたら、彼はプロデューサーとなっていて驚いた。当然、ホークスも、監督としてクレジットされているクリスティアン・ナイビイも、ホークスが監督を務めたことを否定しているのだが、ホークスは5万ドルの監督料のうちの5千ドルだけしかクリスティアン・ナイビイに払っていないようである。役者たちは誰が監督なのか問題に関して意見が割れているようだ。クレジットや契約の問題があるが、実質的にはハワード・ホークスが監督をしたということなのだろう。そうでなければ役者の意見が割れるのはおかしい。


レンタルDVD。55円宅配GEO、20分の15。
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