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ゴダールの決別のyokoのレビュー・感想・評価

ゴダールの決別(1993年製作の映画)
4.5
意外とエヴァンゲリオン

ことあるごとにわざとらしくデデーンと、ピアノが鳴る。不協和音ではないが綺麗な音ではない。なんなんだろうか、今作だけでなくそういうのはゴダールにはままある気がする。レディオヘッドのクリープのように嫌がらせのようなカッティング(ジョニーは当初曲を無茶苦茶にしてやるつもりであれをやっていたらしい)が、オサレ雰囲気だけに酔いしれるなと、教えてくれる。

話は難解ながら、俗にいわれる「ゴダールは難しいけど、ピエロ、軽蔑、勝手にしやがれは好き!それならまだ観れる」という風潮はむしろ逆。それらは今日では小っ恥ずかしく、アンナカリーナ!ジーンセバーグ!アンヌヴィアゼムスキー!みたいな自己主張する自立する女、そしてどこかキャピキャピしてスター然とした存在に頼ってる感じ。レオでもベルモンドも同じ。2020年代くそ殺伐とした時代にはもうそういうのはいらないのではないか。パッとみ3人くらい女性が出てくるが「ワタシ!」みたいな感じがしなくて普通に綺麗。アイライン強くて頬骨もっこり系のゴダギャルとは違くて好感が持てる。個人的には黒髪の人。

ジェラールは有名な俳優さんらしいがただのおっさんだぞ!そういうところも良い。

あと実はエヴァンゲリオンあたりが近い気がします。なんか静止してる人間のショットのインパクト、嫌がらせのような音響、なんか主張してくる文字、クラシック、波打ち際、神。これが1993年でエヴァが1995年意外と近いんだなと思いましたね。まあ庵野は観てるでしょう。

登場人物たちはすごい名前を呼ぶ。
私たちは会話の中でそんなに人の名前は呼ばない。なんだろうかワタシとコイツは違う存在だと意識付けようとしてるのかな?

まあピエロよりおすすめ
もし寝そうになったらエヴァだと思えば興味は持続するかも
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